ヴラド・キリケシュ

ヴラド・キリケシュ：ルーマニアを代表するディフェンダーの軌跡

ヴラド・キリケシュ（Vlad Chiricheș, 1989年11月14日 - ）は、ルーマニアのバカウ出身のサッカー選手です。現在はセリエAのUSクレモネーゼに所属し、ディフェンダーとしてプレーしています。そのキャリアは、ルーマニア国内のクラブから始まり、ポルトガル、そして再びルーマニアへと渡り、着実にその才能を開花させていきました。

初期のキャリア

キリケシュは、地元のLPSバカウでサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。当初はミッドフィールダーやストライカーとしてプレーしていましたが、2004年にアルデアルル・クルジュに移籍。ここでは、ミハイ・ラドゥツやアレクサンドル・マキシムといった才能ある選手たちと共にプレーしました。2007年にはポルトガルの名門SLベンフィカに移籍し、海外での経験を積みます。

国内での飛躍

ベンフィカでの1年間の経験を経て、キリケシュはルーマニアに帰国し、インテルナツィオナル・クルテア・デ・アルジェシュに加入。クラブのリーガI昇格に大きく貢献しました。しかし、2010年にクラブが消滅したため、チームメイトと共にCSパンドゥリイ・トゥルグ・ジウに移籍することになります。この頃、FCステアウア・ブカレストからの関心も寄せられていましたが、当時の監督であったヴィクトル・ピツルカが難色を示したため、移籍は実現しませんでした。

ステアウア・ブカレストでの成功

2012年、キリケシュはついにステアウア・ブカレストへの移籍を果たします。ここでは、ディフェンダーとしての才能を大きく開花させ、チームの中心選手として活躍しました。2012年10月25日に行われたヨーロッパリーグのモルデFK戦では、ペナルティスポット付近からのオーバーヘッドシュートを決め、チームを勝利に導きました。また、2013年2月21日の対アヤックス戦2ndレグでは、ロングレンジからのシュートを決め、チームをPK戦での勝利に導くなど、重要な場面での得点能力も発揮しました。ラウンド16では、前年度UEFAチャンピオンズリーグ王者のチェルシーFCと対戦。2ndレグでは同点ゴールを決めるも、チームは惜しくも敗退しました。

トッテナム・ホットスパーへの移籍

2013年8月、ステアウアはキリケシュの保有権を完全に取得。その直後、クラブ記録となる950万ユーロの移籍金でトッテナム・ホットスパーFCとの契約に合意し、キリケシュはプレミアリーグへと挑戦することになりました。

代表としての活躍

キリケシュは、ルーマニア代表としても長年にわたり活躍しています。2011年9月2日のUEFA EURO 2012予選ルクセンブルク戦でA代表デビューを飾り、2013年8月14日には、スロバキア代表との親善試合でキャプテンに任命されました。ルーマニア代表キャプテンとしての公式戦デビューは、2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選のハンガリー戦であり、チームを3-0の勝利に導きました。

その後のキャリア

トッテナム・ホットスパーFC 2013-2015
SSCナポリ 2015-2020
USサッスオーロ・カルチョ 2019-2020 (loan)
USサッスオーロ・カルチョ 2020-2022
USクレモネーゼ 2022-

キリケシュは、その後もSSCナポリやUSサッスオーロ・カルチョといったクラブでプレーし、2022年からはUSクレモネーゼに所属しています。経験豊富なディフェンダーとして、チームを支える役割を担っています。

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