ヴワディスワフ・オドニツ

ヴワディスワフ・オドニツの生涯と業績

ヴワディスワフ・オドニツ（Władysław Odonic）は、1190年頃に生まれ、1239年6月5日に死去したポーランドの貴族で、ヴィエルコポルスカ公として知られています。彼はミェシュコ3世の長男であるポズナン公オドンの子であり、母はハールィチ公ヤロスラフ・オスモムィシリの娘、ヴィシェスラヴァ（ヴャチェスラヴァ）です。

家族と初期の人生

オドニツは1190年頃にポーランドに生まれました。彼の家族背景は、彼が権力闘争に巻き込まれる運命を暗示していました。オドニツの父、オドンはポズナン公として年少の頃から地域の政治に影響を持っていましたが、オドニツ自身も早くから権力の座を求めるようになります。

争いと亡命

1206年、オドニツは彼の叔父であり後見人であるポーランド大公ヴワディスワフ3世（細足公）と対立します。その原因は、オドニツの世襲地であるカリシュ公国が大公によってシロンスク公家に譲られようとしていたためです。オドニツはこの不満から大公の失脚を狙うものの、内部の支持は得られず失敗し、最終的にはシロンスク公ヘンリク1世（髭公）の宮廷に亡命することとなります。

公国の所有と特権の確認

亡命後、オドニツは1207年にカリシュ公国を再び手に入れ、1217年までその地位を保持します。1210年には、ボジコヴァでヘンリク1世、マゾフシェ公コンラト1世と共に、教会に与えられた特権を再確認する重要な合意に参加しました。

復権とさらなる闘争

1218年、オドニツは再び公国を失いましたが、妻の兄弟であるグダニスク公シフィエントペウク2世の庇護を受けます。その援助を得て、オドニツは立ち上がり、1229年にはヴィエルコポルスカ全体を支配下に置くことに成功しました。しかし、彼の支配は順風満帆ではなく、1227年に発生したポーランド諸公会議での暗殺事件に彼が関与していたとされています。

オドニツは1231年にヘンリク1世との衝突を経験し、彼に攻撃されますが自らの勢力を守ることに成功しました。しかし、1233年にはオドニツがポズナン司教に特権を与えることを約束したことが貴族たちの反乱を引き起こし、最終的にはヘンリク1世が彼に対抗してくるきっかけとなりました。オドニツの死去まで、彼はヴィエルコポルスカの一部を失うことになります。

最期と埋葬

オドニツは1239年に死亡し、ポズナンの聖ピョトル・パヴェウ大聖堂にて埋葬されました。彼の死後も、その仲間や敵による権力闘争は続きました。

家族

オドニツは1218年から1220年の間にポモジェのグダニスク公ムシチュイ1世の娘、ヤドヴィガと結婚し、彼らの間には4人の子どもが誕生しました。子どもたちは次世代のポーランド社会においても影響力を持つ人物となることでしょう。特に、プシェミスウ1世、ボレスワフ、サロメア、エウフェミアの名を記憶されています。

このように、ヴワディスワフ・オドニツはポーランドの歴史の中で注目すべき人物であり、彼の行動や家族、政争は当時のポーランドの政治情勢に大きな影響を与えました。

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