一心会

三代目一心会の概要

三代目一心会（いっしんかい）は、大阪市中央区に本部を構える暴力団として知られ、指定暴力団である山口組の二次団体に位置づけられています。この組織の前身は、田岡一雄の舎弟であった田中禄春による富士会です。ここでは、一心会の歴史や変遷、主要な会長たちの役割について詳しく見ていきます。

結成と初期の活動

一心会は1957年に設立され、その背後には田中禄春がいます。田中は当初、田岡一雄と舎弟契約を結び、三代目山口組の直参の地位を得ました。設立当初は「富士会」と名乗っていましたが、組織が拡大するにつれて、一心会へと改称されます。特に1960年の明友会抗争においては、報復のための実行部隊として活躍しました。しかし、1966年には警察の取締りが強化され「第一次頂上作戦」により解散に追い込まれ、田中もこの時に引退を余儀なくされました。

名跡の復活と六代目体制

1976年、服役していた桂木正夫が出所し、一心会を再興しました。このとき、彼は三代目山口組の直参へと昇格します。その後の五代目体制では舎弟頭補佐の役を果たしましたが、1995年に引退しています。桂木の後を受けて、長年の側近であった川﨑昌彦が会長に就任しました。

2008年、川﨑は後藤組組長の処分について山口組執行部に対抗する立場を取ります。この行動がきっかけで、彼は山口組から除籍され、引退を余儀なくされました。若頭であった能塚恵がその後、三代目を継承しました。

2018年の出来事として、山口組の二次団体である朋友会を傘下に吸収したことが挙げられます。これは六代目山口組の強化政策の一環であり、朋友会の組織力が低下する中で、一心会がその受け皿となりました。朋友会の会長であった高島伸佳は、一心会の会長代行も兼任することとなりました。

歴代の会長たち

田中禄春

初代会長である田中は、富士会を設立し、その後一心会に改称しました。暴力団を引退した後は、在日本大韓民国民団の常任顧問としての地位を得ました。

桂木正夫

二代目会長の桂木は、一度解散した一心会の名を復活させ、三代目山口組の直参となりました。彼は四代目体制では若頭補佐に、五代目体制では執行部の一員としても活躍しました。1995年に引退し、2018年に亡くなりました。

川﨑昌彦

三代目会長となった川﨑は、初代体制の下で川崎組を率いた後、二代目として跡目を引き継ぎました。2008年には除籍され、能塚恵にその地位を譲りました。

能塚恵

現三代目会長の能塚は、若い頃から川﨑の下で活動し、2008年に三代目を継承しました。

傘下組織

一心会の傘下には、朋友会や芦川会などが存在し、組織の活動に寄与しています。

このように、三代目一心会はその歴史において様々な変遷を経て、現在もなお大阪の暴力団界で重要な役割を果たしています。

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