第一次頂上作戦

第一次頂上作戦とは

第一次頂上作戦（だいいちじちょうじょうさくせん）は、1964年から1969年にかけて、警視庁や各地の県警本部が実施した暴力団壊滅を目指す作戦です。この作戦は、暴力団取締要綱に従って、凶器の押収や抗争の早期終結、違法資金獲得の阻止を行い、暴力団のリーダー層の逮捕を徹底し、最終的には暴力団を解散させることを目指しました。

背景

1961年、池田勇人首相が「暴力犯罪防止対策要綱」を閣議決定し、東京オリンピックを控えた治安の強化が求められていました。しかし、暴力団による抗争事件が続発したため、警察は対策を強化せざるを得ませんでした。特に1962年から1963年には、夜桜銀次事件やグランドパレス事件などが相次いで発生しました。これにより警察は、山口組や本多会、柳川組など、主要な暴力団の実態把握に乗り出しました。

組織的な取締りの設立

1964年には、警視庁が「組織暴力犯罪取締本部」を設立し、全国規模の取締りが始まりました。この年、広域10大暴力団が特定され、警察はその摘発に向けて動き出しました。特に、山口組や本多会、柳川組などは重点的に取り締まられ、各地での逮捕者が増加しました。

第一回松山抗争発生

1964年6月には、第一回松山抗争が勃発し、暴力団の抗争が激化しました。この頃には、抗争だけでなく、資金源を断つことを目的とした活動も展開され、暴力団員の逮捕や組織の解散が進みます。特に、松葉会や日本国粋会、錦政会といった暴力団の解散が相次ぎました。

具体的な成果

第一次頂上作戦は、いくつもの暴力団を解散に追い込むなど、その成果は大きく評価されましたが、山口組を完全に壊滅させるには至りませんでした。暴力団が解散した後も、一部は再編成され、21世紀に至るまでその勢力を維持しています。

結論

第一次頂上作戦は、暴力団への強力な取締りを示した事例であり、その後の暴力団取締りにも影響を与えました。しかし、暴力団の構造的な問題は解決されておらず、犯罪組織の排除は今も続いていることを示しています。治安維持のためには、取り締まり以上に、根本的な社会問題の解決が必要であると考えられています。

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