一心太助 (テレビドラマ)

一心太助：江戸の町を舞台に繰り広げられる、人情味あふれる時代劇ドラマ

1971年10月3日から1972年3月26日まで、フジテレビ系列で放送された時代劇ドラマ『一心太助』。全25話、毎週日曜20:00から20:56に放送されました。フジテレビと国際放映の共同制作による作品で、明るく楽しい雰囲気と、時にシビアな現実も描く一話完結の物語となっています。

主人公は、杉良太郎演じる江戸の魚屋、一心太助。喧嘩っ早くせっかちな性格ながら、義理人情に厚く、正義感の強い熱血漢です。腕には「一心如鏡」の入れ墨が刻まれ、その名のとおり、強い意志を持って悪に立ち向かいます。町人でありながら、大久保忠教からも一目置かれる存在感を持っています。

太助の妻、お仲を演じるのは音無美紀子。快活で優しい彼女は、太助を理解する良きパートナーです。時に些細なことで夫婦喧嘩になることもありますが、おしどり夫婦として町の人々から羨望の眼差しで見られています。

お仲の兄で同心、坂部正七を演じるのは財津一郎（第8話と第11話除く）。強情ながらも情け深い性格で、太助を実の弟のように大切に思っています。職務と人情のはざまで悩む場面も多く、物語に深みを与えています。

その他にも、個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。大久保彦左衛門（志村喬）、明石屋銀平（中村竹弥）、笹尾喜内（伊東四朗）、おきん（丹下キヨ子）、お駒（二本柳敏恵）など、多くの俳優陣が脇を固め、江戸の町の人々の生活をリアルに描写しています。

このドラマは、町人の生活を丁寧に描き、ハートフルな人情コメディ路線で展開されます。太助とお仲の夫婦愛、太助と正七の兄弟のような友情など、温かい人間関係も魅力の一つ。一話完結の物語でありながら、登場人物たちの成長や変化も感じ取れる構成となっています。

『一心太助』は、単なる時代劇にとどまらず、当時の世相や人々の心情を反映した作品と言えるでしょう。再放送も何度も行われ、現代においても根強い人気を誇る理由が、このドラマの普遍的な魅力に隠されていると言えるでしょう。時代を超えて多くの人々の心に響く、温かい人情と爽快なアクションが詰まった時代劇ドラマです。

主なスタッフ

脚本：国弘威雄、浅井昭三郎、馬場当、服部一久、鈴木兵吾、布勢博一、笠原良三、加瀬高之、西沢治、久貴千賀子、松本一、小滝光郎、田口耕三、下飯坂菊馬
音楽：木下忠司
演出：下村尭二、井上芳夫、山田達雄、山際永三、高橋繁男、小山幹夫、手銭弘喜
殺陣：湯浅謙太郎
現像：横浜シネマ現像所
プロデュース：人見武幸、古屋克征
* 製作：フジテレビ、国際放映

主題歌

「一心太助」（歌：杉良太郎）
作詞：吉岡オサム / 作曲：市川昭介 / 編曲：佐々永治

放送局はフジテレビ系列局で、一部地域では放送日時が異なっていました。BS11やBS-TBSでも再放送され、時代劇ファンから長く愛されている作品です。

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