一戸二郎

一戸二郎は、1894年（明治27年）1月20日に東京府で生まれ、1938年（昭和13年）10月2日に亡くなった日本の官僚です。旧姓は西で、西大助の二男として誕生しましたが、1897年に一戸氏を再興しました。彼は、第一高等学校を経て、1917年7月に京都帝国大学法科大学政治経済学科を卒業しました。同年10月には、文官高等試験行政科試験に合格し、農商務省に入省しました。

一戸二郎は、農商務省で農商務属としてキャリアをスタートさせ、臨時産業調査局事務官兼農商務大臣秘書官、製鐵所副参事、農商務事務官、同書記官などを歴任しました。その後、内務省に転じ、社会局事務官、同書記官、台湾総督府事務官兼同秘書官などを務めました。また、岐阜県では書記官・学務部長として地方行政にも携わりました。内務省社会局書記官時代には、労働部労政課長として労働問題にも取り組みました。

1932年6月、一戸二郎は愛媛県知事に就任しました。在任中は、道路や交通の整備に力を注ぎました。1935年1月には奈良県知事に転任し、紀元二千六百年記念行事の準備に奔走しました。また、「奈良県政調査」を刊行するなど、県政の発展にも貢献しました。1937年7月に知事を休職し、その生涯を終えました。彼の墓は多磨霊園にあります。

一戸二郎の家族関係にも注目すべき点が多くあります。妻の和佐子は、多額納税者である竹山淳平の長女であり、和佐子の祖父は岡田良一郎、伯父には岡田良平、男爵一木喜徳郎がいます。また、弟には文筆家の竹山道雄がいます。さらに、船田享二とは相婿という関係でした。これらの家族関係からも、彼がいかに有力な家系に連なっていたかが伺えます。

一戸二郎は、農商務省と内務省という二つの重要な官庁で要職を歴任し、地方行政にも携わった人物でした。彼の行政手腕は、愛媛県や奈良県の発展に大きく貢献し、その功績は現在でも語り継がれています。

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