竹山道雄

竹山道雄について

竹山道雄（たけやま みちお、1903年7月17日 - 1984年6月15日）は、著名な日本の評論家であり、ドイツ文学者、小説家として知られています。彼は第一高等学校や東京大学教養学部で長い間教授として教鞭を執り、日本芸術院の会員として文化に貢献しました。彼の生涯と業績を通じて、彼がいかに日本文学界に影響を与えたかを見てみましょう。

彼の生い立ちと教育

竹山は大阪市で銀行員の子として1903年に生まれ、幼少期の多くを京城（現在のソウル）で過ごしました。その後、東京府立第四中学校から第一高等学校を経て東京帝国大学に進学し、1926年に独文科を卒業しました。

教職と留学

卒業後、竹山は第一高等学校でドイツ語の教師としてのキャリアを開始しました。1928年には文部省の命により、ベルリンとパリに留学しました。1931年に帰国すると、再び第一高等学校で教授として職務に就きます。他の大学でも教壇に立ちつつ、海外を訪問し、欧州の文化や思想を深く理解する努力を続けました。

戦後の活動

太平洋戦争後、彼の母校である第一高等学校は新制東京大学教養学部に改組されました。この時期、竹山は東京大学の教授を退官し、上智大学などで講師として教鞭を執りながら、多くの大学での交流を持ちました。また、戦後の日本社会においても彼の見解は注目され、政治的な風潮に対する批判を続けました。

創作活動と文学的業績

竹山は『ビルマの竪琴』という作品で知名度を確立しました。この作品は、一高の教官として教え子たちを学徒出陣で戦場に送り出した体験をもとにしたもので、1948年に出版された後、多くの人々に支持されました。さらに彼は、この作品を監督市川崑によって映画化されることが2度も行われ、名作としての地位を確固たるものとしました。

評論活動

評論家としても卓越した業績を残した竹山は、1940年に発表した『独逸・新しき中世?』でナチス・ドイツを激しく批判しました。その後、1980年代にかけて、社会主義やスターリニズムに対する懸念を表明し続けました。彼は、当時の日本社会における左翼的な風潮に対して攻撃的な姿勢を示し、全体主義に対する警鐘を鳴らしました。そのため、彼の評価は時代を超えて高まっています。

生涯と逝去

晩年の竹山は1983年に日本芸術院会員に選出されるなど、彼の仕事に対する評価が高まりました。しかし、1984年6月に東京厚生年金病院で肝硬変で亡くなりました。彼の死後には叙正四位、勲三等瑞宝章が追贈されました。

著作と翻訳

竹山は多くの訳書を残しており、特にニーチェの『ツァラトゥストラ』やヨハンナ・シュピリの『ハイジ』などが代表作と言えます。また、シュヴァイツァーの著作『わが生活と思想より』を訳し、日本におけるその紹介者としても知られています。文筆活動は多岐にわたり、935件にも及ぶ作品が発表され、広く読まれました。

家族と交友関係

彼の家族・親族は広範であり、銀行経営者の家庭に育った竹山は、学問的知識と豊かな人脈を持つ人物でした。そのため、多くの著名人と交友を持ち、文化交流に寄与しました。特に極東軍事裁判での国際的な活動を通じて、国際的な交流も行われました。

竹山道雄は、日本文学の発展に大きく貢献した著名な人物であり、その功績は今でも高く評価されています。

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