岡田良一郎

岡田良一郎（おかだ りょういちろう）

岡田良一郎（1839年 - 1915年）は、日本の農政家、報徳運動家、実業家、政治家であり、衆議院議員も務めました。二宮尊徳の弟子として報徳思想の普及に尽力し、遠江国報徳社社長、掛川信用金庫（現島田掛川信用金庫）創業者としても知られています。雅号は淡山。

生涯

遠江国佐野郡倉真村（現在の静岡県掛川市倉真）に、豪農・岡田佐平治の息子として生まれました。幼少の頃から学問に励み、父と共に二宮尊徳の教えを受け、その思想に深く感銘を受けます。1875年には遠江報徳社を設立し、報徳思想の普及と地域社会の発展に尽力しました。

1877年には、自宅に私塾冀北学舎（現在の静岡県立掛川西高等学校）を設立し、教育者としても才能を発揮します。翌年には掛川農学社を設立し、農業技術の向上と農村の振興に貢献しました。さらに1879年には、勧業資金積立組合（現在の島田掛川信用金庫）を設立し、地域経済の発展にも大きく貢献しました。

1880年には、静岡県立掛川中学校（現在の静岡県立掛川西高等学校）の初代校長に就任し、地域の教育水準の向上に尽力しました。1911年には、遠江報徳社を大日本報徳社に改称し、全国の報徳社の中心組織としました。

家族・親族

岡田家は多くの著名な人物を輩出しています。

長男：岡田良平
次男：一木喜徳郎（男爵）
三男：杉村章三郎
娘婿：尾崎幸一（尾崎元次郎長男）
妻：逸子（静岡二俣町長・田代英作の娘）

三男の竹山純平は、東京帝国大学法科大学を卒業後、第一銀行監査役などを務め、静岡県多額納税者となりました。二男の竹山道雄は著名なドイツ文学者であり、その子孫も学術・文化の分野で活躍しています。

業績と影響

岡田良一郎は、報徳思想を実践し、地域社会の発展に大きく貢献しました。彼の設立した掛川信用金庫は、地域経済の発展に不可欠な存在となり、冀北学舎は、多くの優秀な人材を輩出しました。また、大日本報徳社は、全国の報徳運動の中心となり、社会の発展に貢献しました。

彼の功績は多岐にわたり、教育、経済、社会福祉など、様々な分野に影響を与えました。特に、地域社会の発展に貢献したことは高く評価されており、彼の思想と行動は、現代の地方創生にも通じるものがあります。

栄典

1902年（明治35年）2月22日 - 勲六等瑞宝章
* 1914年（大正3年）12月31日 - 従五位

岡田良一郎は、地域社会の発展に尽力した偉大な人物として、その名は永く語り継がれるでしょう。

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