一楽儀光

一楽儀光（いちらく よしみつ）は、1959年12月22日、山口県山口市に生まれました。彼は、ドラマー、ギタリストとして知られる日本のミュージシャンであり、その音楽性はジャンルを超越した独自のものです。

音楽活動の始まりと「ドラびでお」

一楽の音楽キャリアは、友人たちとバンドを組んだ際、ジャンケンで負けたことがきっかけでドラムを担当することから始まりました。大学に進学したものの、音楽への情熱は増すばかりで、彼は大学を中退。福岡市を拠点に、ロック、ジャズ、ブルースなど、多様な音楽ジャンルでの演奏活動を展開しました。

彼の名を世に知らしめたのは、ドラムをビデオコントローラーとして利用し、映像とドラム演奏をシンクロさせるパフォーマンス「ドラびでお」です。この独創的なパフォーマンスは、メディアアートの一種としても評価され、国内外の様々なフェスティバルで高い評価を受けました。

国際的な活躍

一楽の活動は日本国内にとどまらず、国際的な舞台でも注目を集めました。2003年には、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品であるガス・ヴァンサント監督の「エレファント」に楽曲が使用されました。また、2005年にはオーストリアのARS Electronicaで、Digital Musics & Sound Art部門のHonorary Mention賞を受賞しました。さらに、ベネチアビエンナーレやサラゴサ万国博覧会にも参加するなど、世界的なアートシーンでも活躍しています。

2009年には人気テレビ番組「SMAP×SMAP」にも出演し、そのユニークな才能を披露しました。大友良英、Sachiko M、山本精一、Acid Mothers Temple、灰野敬二など、国内外の著名アーティストとのライブやレコーディングにも参加しており、その音楽活動は非常に多岐に渡ります。

ドラマーからギタリストへ

2012年、持病の腰痛悪化を理由にドラマーとしての活動を引退しましたが、2014年にはギタリストとして新たなスタートを切りました。モジュラーシンセも使用し、音楽表現の幅をさらに広げています。tkrworks社と共同開発した、映像と音楽をリアルタイムでリミックスできる自作楽器「DORAnome」を用いた活動も再開し、その創造性は衰えることを知りません。

2013年には大規模なワールドツアーを行い、近年ではVestaxs社、Roland社、CACIO社、REON社から機材提供を受け、楽器そのものを自らの音楽のために一から作り上げるという独自のコンセプトを追求しています。DORAnome3「LaserGuitar」は、その集大成とも言える作品であり、世界各地で演奏、講演、レクチャーを行っています。

近年の活動

2019年には、瀬戸内国際芸術祭にて「GIGANOISE」、「GIGAMODULAR」、「DIY MUSICAL INSTRUMENTS MAKERS COLLECTIVE!!」の3作品をキュレーションし、話題を呼びました。「ドラびでお」は、ロックフェス、ジャズフェス、メディアアートフェス、映画祭、芸術祭など、様々な場所で好評を博しています。ライブハウスだけでなく、美術館やインターネット配信番組など、演奏場所を選ばない柔軟性も彼の魅力の一つです。共演者も多岐に渡り、その活動は常に進化し続けています。

参加作品

一楽儀光は、数多くの作品に参加しています。その中でも特に著名なものには、以下のような作品があります。

静寂（灰野敬二・ナスノミツル・一楽儀光）
静寂の果てに (灰野敬二・ナスノミツル・一楽儀光)
Acid Mothers Temple Festival Vol. 7 ( ACID MOTHERS TEMPLE + 一楽儀光 )
『モジュラー・シンセによる新音樂調書』（Various Artists）
「Core Anode」（大友良英）
DVD作品「NO TIME TO DIE」（”ニーハオ!!ドラびでお!!”）
THE MUSIC OF SURROUND PANNER
ドラ!! ドラ!! ドラ!! われ奇襲に成功せり!! （2005年）

一楽儀光は、その独創的な音楽性とパフォーマンスで、世界中の観客を魅了し続けている、唯一無二のアーティストです。

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