一球さん

『一球さん』の概要

『一球さん』は、著名な漫画家水島新司による日本の野球漫画で、1975年から1977年まで『週刊少年サンデー』に掲載されていました。この漫画は、巨人学園高校野球部に思わぬ形で合流することになる主人公、真田一球の物語です。一球は忍者の子孫であり、驚異的な身体能力を持っているにもかかわらず、野球の知識が全くないという特異な設定が特徴です。そのため、彼のこれまでにないプレイスタイルは周囲に大きな影響と混乱をもたらします。

本作は、水島の前作『男どアホウ甲子園』の直後に連載が開始され、時系列的には藤村甲子園が南波高校時代から7年後の設定です。巨人学園の監督には、前作に登場した豆タンこと岩風五郎が就任し、藤村甲子園や丹波左文字といったキャラクターも再登場しています。全体的には過去の物語の要素を受け継ぎながらも、内容は水島によるオリジナルストーリーとして展開されます。

後年、漫画の続編や関連作品もリリースされ、『大甲子園』では再び巨人学園が登場し、強豪明訓高校と対決します。また、2005年には『ドカベン スーパースターズ編』において一球が再登場し、さらなるファン層を獲得しました。続編の『ドカベン ドリームトーナメント編』では、新たな登場人物も加わり、複雑なストーリーが展開されています。

登場人物

巨人学園高校

• - 真田一球（さなだ いっきゅう）: 本作の主人公で右翼手、三塁手、投手など多彩なポジションをこなします。そのスポーツにおける天賦の才能と無知さが物語の核を成します。

• - 呉九郎（くれ くろう）: 一球の幼馴染で、巨人学園に転入してきます。彼もまた野球素人ですが、一球との友情が物語を彩ります。

• - 大友俊（おおとも しゅん）: 巨人学園のエース投手で、一球の入学当初は多くの注目を集めていましたが、次第に一球に対する嫉妬と自分の傲慢さが不和を生じさせます。

• - 堀田三吉（ほった さんきち）: 中堅手の役割を果たし、一時的に野球部を辞めるなど複雑なバックグラウンドを持つ選手です。

• - 司幸司（つかさ こうじ）: 捕手であり、甲子園での一球の活躍に触発され復部します。彼もまた物語の重要なキャラクターです。

監督陣

• - 岩風五郎（いわふね ごろう）: 巨人学園野球部の監督で、かつては南波高校で活躍した選手です。自らの経験を基に選手たちを指導します。

• - 原島: 一軍監督で、功績がありながらも監督職を一球に託すことを決定します。

テレビアニメ

『一球さん』は1978年にアニメ化され、フジテレビで放送されました。全26話で構成され、多くのファンを魅了しました。このアニメは水島新司の他の作品に続く形で制作されるため、彼のスタイルと魅力が遺憾なく発揮されています。

おわりに

このように『一球さん』は、異色の背景を持ったキャラクターたちが織りなすドラマと緊張感あふれる野球の試合を通じて、読者に感動を与え続けています。水島新司の作品は、多くのファンに影響を与え、自身のスタイルを確立する重要な作品となっています。

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