一番堀通町

一番堀通町（いちばんぼりどおりちょう）は、新潟県新潟市中央区に位置する町です。特定の丁番を持たない単独町名であり、現在も住居表示は実施されていません。郵便番号は951-8132が割り当てられています。

この町名は、明治5年（1872年）にそれまでの神明横町が改称された際に成立しました。名称の由来は、かつてこの地に沿って流れていた一番堀にちなむものです。一番堀通町の区域は、新潟市民に親しまれる白山公園と、その中心にある白山神社の敷地が大部分を占めており、都市部にありながら豊かな緑が広がっています。昭和11年（1936年）には、信濃川沿いの昭和大橋上手にできた埋立地がこの町に編入されました。

周囲は多くの町に囲まれています。北側から時計回りに、学校裏町、学校町通、西堀前通、古町通、東堀通、東堀前通、本町通、上大川前通、川端町、川岸町、白山浦、そして再び学校町通と接しています。また、広大な信濃川を挟んで、上所地区とも向かい合っています。

町内は地域によって特色が見られます。

東部: 比較的商業施設や医療機関が集まるエリアです。鳥居医院のような医療施設や、ダイアパレス白山公園前のような集合住宅、福屋書店、旅館にしやま、そば処山風といった飲食店などが点在しています。エネオスのようなサービス施設やレストランキリンもあります。
中央部: この町の中核をなすエリアで、その大部分が白山公園と白山神社の広大な敷地です。公園内や周辺には、新潟県政記念館、新潟市陸上競技場、新潟市体育館など、市の主要なスポーツ・文化施設が集まっています。特に新潟市民芸術文化会館（りゅーとぴあ）や新潟市音楽文化会館は、文化活動の拠点として多くの市民に利用されています。かつては新潟市公会堂もこの地域に存在しました。
* 西部: 行政関連施設や企業、専門的なサービスが見られます。新潟市役所の第一分館が置かれており、長谷川歯科のような医療機関、豊和建設、福田組といった建設関連企業、そしてギャラリーなども立地しています。

歴史を振り返ると、明治5年（1872年）には宮浦堀が開削され、この地域の景観を形作りました。明治12年（1879年）に新潟町が区制に移行した際に新潟区の町丁となり、明治22年（1889年）の市制施行を経て新潟市の町丁となりました。昭和9年（1934年）からは信濃川沿いの白山公園地先で大規模な埋め立て工事が進められ、町の区域拡張につながりました。昭和39年（1964年）には、かつて町名の由来ともなった一番堀を含む宮浦堀が埋め立てられ、現在の姿へと変化しました。平成6年（1994年）には、憩いの空間としてポケットパーク一番堀広場が整備されました。そして、平成19年（2007年）4月1日の新潟市の政令指定都市移行に伴い、中央区の一部となりました。

交通面では、かつて新潟交通電車線が通っており、白山前駅が設置されていましたが、現在は廃止されています。主要な道路としては、国道116号線が町内を通り、また新潟県道164号白山停車場女池線も利用されています。公共交通機関としては、新潟交通の路線バスが運行されており、市民の移動手段として機能しています。

学区に関しては、町内に居住する市立小・中学校に通う児童・生徒に対して、指定された学区が存在します。

参考文献としては、『角川日本地名大辞典 15 新潟県』、『新潟歴史双書 3 新潟歴史物語』、『新潟歴史双書 4 白山公園あたり』、『新潟歴史双書 8 新潟の地名と歴史』などがあり、この町の歴史や地理について詳しく知ることができます。

関連する地域として、新潟島の一部を構成しています。白山公園や主要な公共施設が集積する一番堀通町は、新潟市の歴史と文化、そして行政の中心機能の一部を担う重要な地域と言えるでしょう。

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