一粒社

株式会社一粒社（いちりゅうしゃ）は、1951年（昭和26年）に彦坂竹男によって設立された出版社です。本社は東京都台東区に所在し、法学分野の書籍を専門に出版していました。特に、民法学の大家である我妻栄氏をはじめ、各分野の著名な法学者の学術書を数多く刊行し、法学研究に大きく貢献しました。また、基本問題集も多数出版しており、学生や研究者にとって重要な学習資料となっていました。

一粒社の出版物は、その質の高さから、法学界で広く認知されていました。しかし、2002年5月に廃業し、その歴史に幕を閉じました。出版者記号は「7527」でした。

一粒社が刊行した学術書の中には、現在でも他の出版社（勁草書房など）によって復刊されているものもあります。しかし、基本問題集の多くは復刊されておらず、入手が困難な状況です。これらの書籍は、当時の法学研究の水準を示す貴重な資料として、その価値が見直されています。

なお、一粒社という名称を持つ出版社は、日本各地に複数存在していますが、これらの会社と、かつて存在した株式会社一粒社との間には、人的関係や資本関係は一切ありません。

関連事項

* 判例時報社：一粒社の創業者である彦坂竹男が設立した別の出版社です。

一粒社の廃業は、日本の出版業界における一つの転換期を示す出来事であり、その出版物の意義は、今日の法学研究においても重要です。歴史の中で、一粒社が果たした役割は、その出版物を通じて今もなお語り継がれています。

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