一色詮範

一色詮範の生涯と業績

概要

一色詮範（いっしき あきのり）は、南北朝時代に活躍した日本の武将で、特に守護大名として知られています。一色氏の6代当主であり、彼の生涯はその時代の政治的な変遷と密接に関わっていました。詮範は1340年頃に誕生し、父は一色範光です。元服の際には、室町幕府の2代将軍である足利義詮から偏諱を受けるなど、当時の権力者とのつながりを持っていました。

初期の活動

詮範は永徳元年（1381年）に侍所頭人に任命され、3年間その職務を全うしました。また、嘉慶元年（1387年）には佐渡国の守護職を務めていたことが確認されていますが、彼の名声は逐次広がっていきました。嘉慶2年（1388年）に父が死去したため、家督を受け継ぎ、若狭国と三河国の守護に補任されました。

明徳の乱とその後

明徳2年（1391年）には、山名氏清・満幸が幕府に対して挙兵した明徳の乱において、幕府方として武功を挙げ、長年の悲願であった若狭国今富名を取り戻しました。これにより彼は優れた軍事的指導者としての地位を確立すると共に、応永元年（1394年）までに尾張国の守護職も得ることができました。

政治と家庭

応永2年（1395年）、3代将軍の足利義満が出家した際には、剃髪し信将と名乗りました。その後の応永6年（1399年）には大内義弘が挙兵した応永の乱においても、再び幕府側で活躍しました。同年には若狭守護代の小笠原明鎮との間でトラブルが発生し、明鎮は今富名から解任されました。ここでの小笠原氏との対立は、次世代の子、満範の時代においても続くことになります。

健康問題と政治的な変遷

応永11年（1404年）の初頭には、詮範の健康が影響し、若狭守護の職を弟の詮光が暫定的に務めることとなりました。この事態は、彼の健康状態や小笠原氏との関係が複雑に絡み合った結果であると考えられています。ただし、これに関する詳細な史料は乏しく、不明な点が多いのが現状です。

最期と影響

最後に、詮範は応永13年（1406年）6月7日にその生涯を閉じました。彼の死は一色氏にとって大きな転機であり、その後の政治状況にも影響を及ぼしました。一色詮範は、南北朝時代における武将としてだけでなく、その後の日本の歴史においても重要な役割を果たした人物として位置付けられています。

参考文献

• - [小浜市]]史編纂委員会 編 『小浜市史』《通史編 上巻》小浜市役所、1992年3月20日。
• - 外部リンク: [一色詮範
• - 文化遺産オンライン: 坂本文書　第一巻　一色詮範遵行状(文化庁)

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