一龍戦争

一龍戦争：自民党内の権力抗争の歴史

概要

一龍戦争とは、日本の自民党内における権力闘争で、主に橋本龍太郎と小沢一郎の対立が中心となります。この争いは、両者の家族の過去にまで遡る長い因縁を含み、政治的な変動が連続する中で展開されました。

竹下派の結成と背景

1985年に、竹下登が田中派内で勉強会「創政会」を設立することで、彼の政治活動が本格化します。これをきっかけに、田中角栄が脳梗塞で倒れ、竹下派が力をつけていきます。その後、1988年に発生したリクルート事件は、竹下内閣の退陣をもたらし、橋本と小沢はそれぞれ異なる立場に立つことになります。橋本は竹下派に、そして小沢は金丸派に近かったことから、双方の派閥の利害が絡み合う形で政治的な対立が深化していきました。

竹下派の衰退と政局の変移

1991年に東京都知事選で敗北した小沢は、幹事長を辞任し竹下派の中での再編を進めます。この年、橋本も金融不祥事の責任を取って辞任することになります。その後、海部俊樹の後を受けた宮澤喜一内閣が誕生する中で、竹下派内の権力構造が大きく変化していきます。

1992年、PKO問題での法案通過後、竹下派は分裂の危機を迎え、橋本と小沢がそれぞれ次のリーダーを担ごうとした結果、さらなる対立が生じます。小沢は独立した改革派グループを結成し、政治的な立場を強化していきます。

不信任決議と連立内閣の成立

1993年、宮澤内閣に対する不信任決議が提出され、これが可決されると衆議院解散に至ります。この結果、新生党が結成され、小沢が党首となる中で、橋本は自民党内での立場を固めていきます。1994年には、細川内閣の誕生により新たな連立政権が成立し、橋本政調会長が通産大臣に就任することになります。

その後も、与野党間の対立が深化し、1995年には阪神淡路大震災を受けた内閣の不手際が問題視され、政治の安定が揺らぐことになります。これは橋本と小沢の両者が政権運営を巡って対立する材料ともなりました。

一龍会談とその後

1997年、橋本首相と小沢党首は再度会談を行い、住専処理法案に関する協議を重ねました。政治的な結果において、橋本は衆議院での過半数を回復しましたが、小沢は新進党の離党者続出に直面しました。さらに、同年末には新進党が解党し、小沢は新たに自由党を結成します。

結末とその影響

1998年、橋本は経済不況の影響を受け、自民党内での支持を失い退陣します。その後も小沢は政治活動を続け、何度かの政権交代を経験しますが、政治的な激動の中で両者は様々な立場に身を置くことになります。小沢は自由党から民主党への合併を果たし、橋本は政界から身を引くこととなります。

このように、一龍戦争は日本の政界における重要な出来事であり、権力の交代や政策の変遷を通じて、政治の構造に大きな影響を与えました。

もう一度検索