一龍齋貞鳳

一龍齋 貞鳳の生涯と業績

一龍齋 貞鳳（いちりゅうさい ていほう、本名：今泉 正二）は、1926年に福島県で生まれました。彼は日本の講談師であり、同時に政治家としても知られる人物です。戦後の日本で活躍した彼の功績は、多岐にわたります。

初期の経歴と講談師としての活躍

彼は旧制法政大学第二中学校を卒業後、1938年に5代目一龍齋貞丈のもとで講談の修行を始めますが、第二次世界大戦の影響により一時中断を余儀なくされます。戦後の1946年に講談師として復帰し、「貞鳳」の名で活動を開始しました。1954年には真打に昇進し、その後は多くの舞台で力を発揮しました。

彼の名声を高めたのは、1956年から1966年まで放送されたNHKのバラエティ番組『お笑い三人組』です。この番組では他の著名な落語家と共に活躍し、幅広い視聴者層に支持されました。また、彼は「今泉良夫」という名義で司会を務めることも多く、テレビの中でその存在感を発揮しました。

1965年には、芸術祭賞の奨励賞を受賞し、幅広いジャンルでの才能を証明しました。

政治家としてのキャリア

1971年、第9回参議院議員通常選挙では自由民主党から全国区候補として出馬し、見事当選を果たします。国政に転身した彼は、田中派の旗揚げに参加し、三木改造内閣の環境政務次官や福田赳夫内閣での同職を務めるなど、政治の舞台でも重要な役割を果たしました。彼は国立演芸場の設立にも尽力し、一期の任期を全うしましたが、1977年の選挙では惜しくも落選します。

その後の1996年には、勲三等旭日中綬章を受章し、その業績を評価されました。

政界引退後の活動

政界から引退した後は、政治評論家として全国各地で講演活動を行い、政治に関する見解を広めました。また、文学や芸術にも関心を寄せ、句会を主宰するなど、多才な活動を続けていました。

最晩年と死去

2016年12月27日、彼は脳梗塞により東京都内にて90歳でこの世を去りました。彼の死去について遺族が公表したのは、三回忌が終わった2019年のことでした。

人物と逸話

彼の生涯には、落語家との関わりが多く、特に3代目三遊亭圓歌との出会いが印象深いものとなっています。圓歌が新大久保駅の駅員だった頃、貞鳳の父がその先輩であり、この奇縁を背景に円歌は後に貞鳳を公に紹介する機会もありました。

彼の著書には『講談師ただいま24人』や『話の幕間』などがあり、講談の魅力を一般に広める役割も果たしました。

最後に

一龍齋貞鳳は、講談師としての独自のスタイルと、政治家としての経験を持ち合わせた、戦後日本を代表する文化人でした。彼の業績と生き方は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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