七つ屋 志のぶの宝石匣

七つ屋志のぶの宝石匣

『七つ屋志のぶの宝石匣』は、二ノ宮知子による日本の漫画作品で、『Kiss』（講談社）にて連載されています。タイトルの「七つ屋」は質屋の隠語であり、物語は東京・銀座の老舗質屋「倉田屋」を中心に展開します。

作品概要

作者の二ノ宮知子は、『GREEN〜農家のヨメになりたい〜』の連載終了後、次作として音大を舞台にした物語と質屋を舞台にした物語という二つの構想を持っていました。当時、担当編集者が音大を舞台にした物語を選び、それが『のだめカンタービレ』として結実しました。『のだめカンタービレ』完結後、二ノ宮知子はもう一つの構想であった質屋を舞台にした本作の執筆を開始しました。

あらすじ

物語の舞台は、銀座9丁目商店街にある江戸時代から続く老舗質屋「倉田屋」。倉田屋の娘である高校2年生の志のぶは、宝石の「気」を感じる特別な能力を持っています。彼女は宝石から地球の雄大さを感じ、その真贋を見抜く才能を活かして、店で宝石の鑑定を任されています。

志のぶには婚約者がいます。その名は北上顕定。彼はかつて名家の跡取りとして生まれましたが、家の没落により幼少期に倉田屋に質入れされました。質屋では人間の質入れは通常受け付けていませんが、特別な事情により3年間の期限付きで預けられ、もし期限内に引き取られなかった場合は、倉田屋の孫娘と婚約するという契約が交わされました。顕定は倉田家で育ち、質屋の仕事を学びながら鑑定眼を養っていきます。一方、北上家から離散した宝物の行方を探すため、彼は高級ジュエリー店の外商として、各界のセレブたちと関わりを持つようになります。

登場人物

主要人物

倉田 志のぶ：
高校2年生。宝石の「気」を感じる不思議な力を持つ。倉田屋で宝石の鑑定を担当し、持ち込まれた品が盗品であったり、いわくつきの場合は気が淀んで見える。その力から「石占い」や「霊感」の持ち主と噂されることもある。倉田屋を継ぐのが夢で、宝石以外の骨董品も鑑定できる。剣道部に所属しており、武将オタクでもある。
北上 顕定：
フランスの老舗高級ジュエリー店「デュガリー」日本支店の外商。かつては名家の跡取りだったが、幼いころに倉田屋に質入れされた。質流れ品として倉田家で育ち、すっかり江戸っ子口調になっている。現在は一人暮らし。店に出ると客が殺到し、店の売上を大きく伸ばすほどの人気を持つ。幼い頃に見た赤い宝石を探し求めている。
久世 鷹臣：
宝石店「HULALU」のオーナー兼ジュエリーデザイナー。元プロスヌーカー選手。ロンドンで顕定と知り合った。彼が宝石に触れると、志のぶの目には宝石が浄化されるように見える。

倉田家

倉田：
志のぶの祖父で、倉田屋の12代目店主。顕定を質草として預かり、彼を後継者として育てようと考えている。
倉田 百合江:
志のぶの母。離婚して実家に戻り、倉田屋でブランド品の査定を担当している。ブランド品を見る目は確かだが、自分が欲しい品があると勝手に使ってしまうことがある。
倉田 保：
百合江の兄。独立して質店「ブランド・ディープインパクト」を経営している。

その他

秋元夫人：
資産家。顕定と取引を通じて娘たちの新たな一面に気づく。北上家とつながりがあった人物。
秋元 貴子：
秋元家の長女。宝石好き。
秋元 摂子：
秋元家の次女。志のぶの同級生でアニメ好き。
しょーちん：
警視庁刑事部捜査第三課の刑事。百合江の幼なじみ。
虎徹：
顕定と連絡を取り合う人物。タイで原石の仕入れを担当。
晴子：
虎徹の母。弁当屋で働き、倉田屋の常連。過去にプラズマ研究者として人工ダイアモンドを製造していた疑惑がある。
乃和：
モデル。デュガリーの広告モデルに起用されたことをきっかけに顕定と知り合う。
青山菖蒲：
乃和の兄。レストランオーナー。北上家の赤い宝石を狙っている。
有馬 満津子：
名家の夫人。没落の危機にある。
有馬 富子：
満津子の娘。家事手伝い。
有馬 一征：
満津子の息子。スヌーカーのプロ選手。
金井 祐也：
ディープインパクトのライバル店「スペシャル・ウィーク」の跡取り息子。骨董好きだが、仕事ができない。

コラボレート

『のだめカンタービレ』連載開始20周年を記念して、本作と『のだめカンタービレ』がコラボレーション。
『Kiss』の創刊30周年記念として、BE:FIRSTのSOTAとコラボレーション。
* 国立科学博物館の特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」とコラボレーション。

書誌情報

二ノ宮知子 『七つ屋志のぶの宝石匣』 講談社 〈KC Kiss〉、既刊23巻（2024年12月13日現在）

（各巻のISBNは省略）

脚注

（脚注は省略）

外部リンク

七つ屋 志のぶの宝石匣 二ノ宮知子 | Kiss | 講談社｜講談社コミックプラス

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