七尾大田火力発電所

七尾大田火力発電所

七尾大田火力発電所は、石川県七尾市に位置する北陸電力が運営する石炭火力発電所です。この発電所は、エネルギー供給の重要な役割を果たしており、地域経済にも貢献しています。

概要

七尾大田火力発電所の歴史は、1970年に北陸電力が火力発電所の立地計画を発表したことから始まります。最初は河北郡内灘町での設置が計画されましたが、地域住民の強い反対に遭い、計画は断念されました。その後、1973年に七尾市の「トクサ地点」での立地計画が提案されるものの、再度の反対を受けて、この計画も取り消されました。その後、大田町での設立が決定され、建設へと進展していきました。

1975年に1号機の工事が開始され、1995年には運転が開始されました。さらに1998年には2号機が加わり、発電能力が向上しました。1号機には北陸電力初の超々臨界圧の技術が採用され、526℃の主蒸気温度と593℃の再熱蒸気温度が設計されています。これに対し、2号機ではさらなる効率化が図られました。

燃料に関しては、当初石油からスタートしましたが、最終的には石炭が採用され、その後2010年からは2号機において木質バイオマスの混焼が始まりました。これにより、発電所の持続可能性が向上し、環境への配慮も考えられています。

発電設備

七尾大田火力発電所は、総出力120万kWを誇ります。具体的な設備の仕様は以下の通りです：

1号機

• - 定格出力: 50万kW
• - 使用燃料: 石炭
• - 蒸気条件: 超々臨界圧（Ultra Super Critical）
• - 熱効率: 43%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始日: 1995年3月17日

2号機

• - 定格出力: 70万kW
• - 使用燃料: 石炭、木質バイオマス
• - 蒸気条件: 超々臨界圧（USC）
• - 熱効率: 44%（低位発熱量基準）
• - 営業運転開始日: 1998年7月1日

この発電所は、様々な課題にも直面しました。2015年には1号機でのボイラー内配管の損傷が発生し、運転停止を余儀なくされました。その後、点検・補修作業を行い無事に運転を再開しました。また、2018年には2号機においてタービンの損傷が起き、一時運転を停止しましたが、その後補修を経て運転が再開されました。

さらに、2024年には地震の影響で両方の機器が緊急停止し、復旧に向けた工事が進められました。結果として、2号機は5月10日、1号機は7月2日に運転を再開させることができました。

近隣の施設

発電所の近くには、七尾港やLPガス国家備蓄基地などが立地しており、地域のインフラも整っています。これにより、供給と輸送においてシナジー効果が生まれています。発電所は地域社会のみならず、日本全体のエネルギー供給の重要な一翼を担っています。

まとめ

七尾大田火力発電所は、地域のエネルギー供給を支え、持続可能な発電に向けた技術革新を追求し続けています。今後も、効率的で信頼性の高い電力供給を行うために、経済的かつ環境への配慮も大切にした運営が期待されます。

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