七尾市歌

七尾市歌（ななおしか）

七尾市歌は、日本の石川県七尾市によって制定された市歌で、初代と2代目の2つのバージョンが存在します。初代は1941年に制定され、作詞は西川好次郎、作曲は今井松雄によるものでした。2代目は1968年に制定され、作詞は河西新太郎、作曲は供田武嘉津が手掛けました。

初代市歌の制定

初代の七尾市歌は、1941年に北國毎日新聞が市制施行を祝うために懸賞募集を行い、寄贈したものです。この懸賞には国内外から多くの応募があり、特に和歌山県在住の西川好次郎の作品が一等に選ばれました。作曲者の今井松雄は、石川県女子師範学校の教諭であり、戦後に「金沢市民の歌」も作曲しています。

当時の市歌には「皇国の明日を負う」や「興亜の道ひとつ」といった表現が含まれており、日中戦争の影響を色濃く反映していました。そのため、太平洋戦争の終結と共に、演奏されることはなくなりました。

2代目市歌の制定

2代目の七尾市歌は、1969年に市制30周年と七尾港開港70周年を祝うため、前年に市民憲章や市花と共に募集を行った結果誕生しました。河西新太郎は香川県に住む詩人であり、再び石川県外からの応募作が市歌に採用されました。この曲は日本マーキュリーによってシングル盤としても制作されました。

市議会においては、市民憲章や市花と合わせて市歌の制定議案が審議され、1968年6月17日に全会一致で可決されました。7月18日には正式な演奏が行われました。

合併後の状況

2004年、七尾市は田鶴浜町、中島町、能登島町と合併し、新しい七尾市が誕生しました。この際、旧市歌である2代目「七尾市歌」は合併によって失効の扱いとなりましたが、市内の行事では未だに慣例的に演奏されています。合併の際には新市の市章や市民憲章、市歌を新たに定める方針が取られたため、旧市歌は正式に廃止されたと見なされています。

しかしながら、合併10周年を迎えた時に設置された市民会議では、市歌についての結論が先送りにされ、以降も2代目の市歌が新市の行事で演奏されるという状況は続いています。

2025年には合併20周年を記念して市民会議が再度設置され、新しい市歌の制定準備が進められる予定です。この新しい市歌は、合併の記念としてだけでなく、前年の能登半島地震からの復興をも視野に入れたものになるとのことです。

まとめ

七尾市歌は、その制定から多くの歴史や背景を持っており、市や市民のアイデンティティを象徴する重要な楽曲です。合併後もその伝統は続いており、今後新たな市歌が誕生することで、地域の活性化や復興に寄与することを期待されています。

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