七川ダム

七川ダム：歴史と自然が織りなす和歌山のダム

七川ダムは、和歌山県東牟婁郡古座川町を流れる古座川に建設された、歴史と自然豊かなダムです。紀州大水害を教訓に建設されたこのダムは、多目的重力式コンクリートダムとして、洪水調節、発電、上水道水源といった重要な役割を担っています。

特に注目すべき点は、その歴史的価値です。2019年には、常用洪水吐きに日本最古の高圧スルースゲートを設置したダムとして、土木学会選奨土木遺産に選ばれました。戦後の日本のダム建設技術において、七川ダムが極めて重要な役割を果たしたことがうかがえます。高圧スルースゲートは、洪水時に大量の水を迅速かつ安全に流すための重要な設備であり、七川ダムの高度な技術力を示す証となっています。


ダム湖周辺は、美しい自然景観が広がっています。ダム湖畔には、桜並木が続き、春には見事な桜並木が訪れる人々の目を楽しませます。この桜並木は、「佐田の桜」として知られ、日本さくら名所100選にも選ばれているほどです。桜の季節には、多くの観光客が訪れ、華やかな景色を満喫しています。また、かつては湯の花温泉が存在し、自然の恵みと温泉の癒しを同時に味わうことができました。


交通アクセスも比較的良好です。国道371号、和歌山県道38号すさみ古座線、和歌山県道229号古座川熊野川線がダム湖周辺を通っており、車でのアクセスが容易です。国道371号はダム湖の中央部を、和歌山県道38号は左岸を、和歌山県道229号は右岸を並走しています。


七川ダムは、単なる治水・利水施設というだけでなく、歴史と自然が融合した貴重な観光地でもあります。土木遺産としての価値、桜の名所としての魅力、そして豊かな自然環境と、見どころは数多くあります。和歌山を訪れる際には、ぜひ七川ダムにも足を運んで、その魅力を体感してみてください。ダムの歴史、技術、自然、そして地域の文化に触れることで、忘れられない思い出となることでしょう。


周辺情報:

佐田の桜: 日本さくら名所100選に選ばれた桜並木。春には美しい桜並木が楽しめます。
湯の花温泉 (廃業): かつてはダム湖畔に存在した温泉。
古座川: ダム湖を形成する河川。豊かな自然と美しい渓谷美が魅力です。

アクセス:

車：国道371号、和歌山県道38号すさみ古座線、和歌山県道229号古座川熊野川線を利用。

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