七物降下湯

七物降下湯（しちもつこうかとう）

七物降下湯は、高齢者の高血圧に伴う様々な症状を緩和するために用いられる漢方薬です。この処方は、修琴堂処方として知られ、大塚敬節によって創られました。その内容は『症候による漢方治療の実際』に詳しく記述されています。

効果・効能

七物降下湯は、体力が低下した高齢者の高血圧に伴う症状、例えば疲労感、のぼせ、冷え症、頻尿などに効果を発揮します。

保険適用エキス剤としての効能・効果は、身体が虚弱な傾向のある人の高血圧に伴う随伴症状（のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重感）を改善することです。

組成

七物降下湯は、以下の7つの生薬から構成されています。

芍薬（シャクヤク）4.0g
当帰（トウキ）4.0g
黄耆（オウギ）3.0g
地黄（ジオウ）3.0g
川芎（センキュウ）3.0g
釣藤鈎（チョウトウコウ）3.0g
黄柏（オウバク）2.0g

これらの生薬が組み合わさることで、七物降下湯は独特の効果を発揮します。

処方名について

七物降下湯の名前は、その構成と効果に由来します。基本となる四物湯に、釣藤鈎、黄耆、黄柏を加えた7つの生薬からなること、そして高血圧症に用いられることから、この名が付けられました。命名者は、本処方を創製した大塚敬節と親交のあった馬場辰二です。

慎重投与

以下の患者には慎重な投与が必要です。

著しく胃腸が虚弱な患者
食欲不振、悪心、嘔吐のある患者

これらの症状がある場合、七物降下湯の服用によって症状が悪化する可能性があります。

副作用

七物降下湯の服用によって、以下の副作用が現れることがあります。

食欲不振
胃部不快感
悪心
嘔吐
下痢

これらの症状が現れた場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

薬効薬理

七物降下湯には、血圧を下げる作用があることが確認されています。

高血圧モデルラットを用いた実験では、七物降下湯の投与によって血圧の上昇が抑制されました。また、食塩を負荷したDahl食塩感受性ラットに七物降下湯を投与したところ、収縮期血圧と糸球体傷害スコアが低下しました。

関連処方

七物降下湯と関連のある処方として、四物湯があります。四物湯は、七物降下湯の基本となる処方です。

関連項目

* 大塚敬節

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