万年山古墳

万年山古墳について

万年山古墳（まんねんやまこふん）は、大阪府枚方市に位置すると思われる前方後円墳の一つで、1904年にその存在が初めて確認されました。この古墳は万年寺と呼ばれる寺院の近くにあったため、万年寺山古墳とも呼ばれることがあります。

発見の経緯

1904年の春、小学校の運動場を拡張する工事を行っていた際、土中から一枚の大きな木板が見つかりました。その木板の上には銅鏡や鉄刀が置かれており、これにより古墳の存在が明らかになりました。しかし、この地域は歴史的に豊臣秀吉が茶屋御殿などを建設した場所であったため、地形は著しく改変され、古墳本来の姿の大部分が失われたと思われます。工事中には埴輪や葺石などの発見はなく、どのような構造をしていたのかは詳細にはわかっていません。

出土した木板は長さ3メートル、幅30センチ、厚さ6センチ程度であり、内側が湾曲していることから、伝説によると割竹形の木棺が使用されていたと考えられています。しかし、木棺を包むための板石が見つからないことから、粘土製の槨が存在していた可能性が示唆されています。

出土した銅鏡

この古墳から発見された銅鏡は合計で8面あり、すべてが中国製の鏡です。内容は以下の通りです。
1. 吾作銘四神四獣鏡 - 京都府の椿井大塚山古墳出土の鏡と同様のものです。
2. 君宜官獣文帯三神三獣鏡 - 奈良県の佐味田宝塚古墳出土の鏡と同様のものです。
3. 有銘四神四獣鏡
4. 日月唐草文帯四神四獣鏡 - 静岡県の経塚古墳出土の鏡と同様のものです。
5. 波文帯竜虎鏡
6. 獣帯鏡
7. 獣帯鏡
8. 獣文帯神獣鏡

これらの銅鏡は、古墳の築造時期を考える上で非常に重要な手がかりとされています。

築造時期

万年山古墳が築かれた時期は、出土品の銅鏡が中国製であり仿製鏡が含まれないことから、非常に古い時代であると考えられています。しかしながら、竪穴式石室を持たず、粘土槨と木棺の組み合わせから、4世紀の中頃に建設された可能性が高いとされています。現在、この銅鏡は東京大学理学部人類学教室で保管されています。

現在の状況

万年山古墳が発見された場所は当時の小学校が移転しており、現在は意賀美神社の境内となっています。この神社は地域の人々に親しまれる場所となっており、万年山古墳の存在を知るための貴重な歴史的背景を秘めています。

この古墳の存在は、大阪府枚方市の古代史や文化に対する理解を深める重要な要素の一つと言えるでしょう。

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