万栄橋

万栄橋の概要と歴史

万栄橋（まんえいばし）は、山梨県南巨摩郡南部町にある富士川に架かる橋で、地域住民の重要な交通手段となっています。この橋の名前は、近隣の万沢村と栄村から由来しています。特に旧万沢村の住人が利用することで、対岸にある十島駅へのアクセスが向上しています。

橋の歴史

万栄橋は、架設当初からその形状を変えてきました。最初は木桁橋として建設されましたが、1953年（昭和28年）からは、トラス橋に順次架け替えられ、1960年（昭和35年）までにはすべての橋がトラス構造に変更されました。トラス橋は、強度が高く、長いスパンを支えることができるため、交通の安全性を確保する上で非常に優れた設計です。これらのトラスは、旧南部橋と同じ下路曲弦ワーレントラスという特徴を持っていましたが、1982年8月に発生した台風10号によって富士川が増水し、万沢側の一部が流失しました。

流出した部分に関しては、十島側の橋脚が残ったため、そのまま新たに下路平行弦ワーレントラスに載せ替えられました。こうして万沢側の橋桁と十島側の橋桁は異なる構造を持つことになりました。

諸元

万栄橋の具体的な諸元については以下の通りです。橋の全長は268メートル、幅員は5.5メートルであり、この幅には車道と歩道が含まれています。橋は国道469号に位置しており、2車線で構成されています。ただし、幅が狭いため、大型車同士のすれ違いには困難を伴います。利用者が多く、特に通勤や通学の場面で重要な役割を果たしている万栄橋は、地域の交通網の一部として欠かせない存在です。

参考文献

この橋に関する詳細な情報は、竹林征三著『甲斐路と富士川-川を守り・道を拓く』に記載されています。これは建設省関東地方建設局甲府工事事務所が編纂したもので、1995年10月20日にアドブレーン社から発行された書籍です。文章66ページにも万栄橋についての情報が掲載されています。

万栄橋は、歴史的な背景を持つだけでなく、地域の生活に寄与する重要なインフラストラクチャーといえます。地域住民にとっては、単なる橋以上の意味を持つ存在です。今後もしっかりと維持され、多くの人々に利用され続けることを願っています。

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