万福寺 (行方市)

万福寺（まんぷくじ）

万福寺は、茨城県行方市にある天台宗の寺院です。静かな佇まいの中に、豊かな歴史と文化財を今に伝える古刹として知られています。

歴史

万福寺は、平安時代末期に平貞能によって開基されました。平貞能は、平清盛の家臣でしたが、治承・寿永の乱を生き延び、最終的に宇都宮朝綱に投降し、その庇護を受けることになります。貞能が開基したとされる寺院は、北関東に点在しており、小松寺もその一つです。

その後、万福寺は寺運が衰微しましたが、1464年（寛正5年）に忠伝によって中興され、再興を果たしました。

現在の仁王門は、元々万福寺にあったものではなく、1724年（享保9年）に現在の稲敷市にある逢善寺から譲り受けたものです。これは、当時の住職であった快尊が、かつて逢善寺にいた縁によるものとされています。

文化財

万福寺には、数多くの貴重な文化財が保存されています。

木造阿弥陀如来立像及両脇侍像（茨城県指定文化財）: 昭和33年3月12日指定。阿弥陀如来の尊像と、その両脇に侍る脇侍像。
阿弥陀堂（茨城県指定文化財）: 昭和45年9月28日指定。阿弥陀如来を安置するための仏堂。
仁王門（茨城県指定文化財）: 昭和45年9月28日指定。寺院の入り口を守護する仁王像が安置されている門。
萬福寺木造阿弥陀如来立像（行方市指定文化財）: 平成15年8月11日指定。
萬福寺金剛力士阿形吽形（行方市指定文化財）: 平成23年5月26日指定。仁王門に安置されている金剛力士像。

交通アクセス

路線バス：羽生南停留所より徒歩4分

脚注

* 参考文献：稲葉博 著『関東古社名刹の旅2（群馬・栃木・茨城編）』読売新聞社、1987年

万福寺は、歴史と文化に触れることができる、心静かに過ごせる場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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