万里鏡1号

万里鏡1号についての詳細

万里鏡1号（ばんりきょう1ごう）は、北朝鮮が初めて打ち上げた軍事偵察衛星であり、大韓民国やアメリカ合衆国の監視を目的として設計されています。この衛星は、北朝鮮の新型ロケット「千里馬1型」の打ち上げによって運ばれ、2023年11月21日に成功裏に軌道に投入されました。

打ち上げの経緯

万里鏡1号はこれまでに3回にわたって打ち上げられる試みがありました。最初の試みは2023年5月31日に行われましたが、千里馬1型の第2段エンジンが早期に点火したため、打ち上げは失敗に終わりました。この失敗は、ソウル特別市と沖縄県に避難勧告を出す事態を引き起こしました。

失敗後、北朝鮮政府は迅速にこの事実を公表し、韓国の国家情報院は、直前に成功した韓国のヌリ号の打ち上げが北朝鮮の動機を刺激したと指摘しました。残骸は黄海に墜落し、韓国軍は海岸から200キロメートル離れた地点での回収を試みました。

次に、2023年8月23日に行われた打ち上げも再び失敗しました。この回の原因は、第3段エンジン航行中に発生した緊急飛行停止システムの異常でした。

三度目の打ち上げ

三度目の打ち上げは、当初予定されていた2023年10月から11月21日に延期されました。韓国の報道によると、成功した打ち上げによって万里鏡1号は軌道に載せられたとのことです。ただし、当時の日本や韓国の当局は、衛星の軌道投入について明確な情報を持っていませんでしたが、後に韓国の軍や国家情報院は成功したとの見解を示しました。

北朝鮮は、12月から衛星を使った偵察活動に入り、金正恩はこの打ち上げを指導したとの報告があります。これにより、南北間の軍事的な緊張が再び高まることとなりました。

南北の合意について

打ち上げ後、韓国は2018年の南北軍事合意に基づく飛行禁止区域を無効化する意向を示しました。一方、北朝鮮も合意を全面的に破棄する旨を発表。しかし、韓国の統一部は、双方の同意がなければ合意が成立しないため、この破棄には同意しない考えを表明しました。

衛星の運用と今後の展望

2024年2月19日から24日にかけて、万里鏡1号の衛星の近地点が488kmから497kmに修正されたことが確認されました。これにより、北朝鮮が衛星を制御可能であるとの見解が示され、今後、何らかの機能を果たすことが期待されていますが、具体的な機能については依然として不明な状態です。

万里鏡1号の存在は、国際的な安全保障の観点から大きな注目を集めています。北朝鮮の軍事的な進展は、その周辺国に対する影響を及ぼす可能性が高く、今後の動向が注視されています。

もう一度検索