丈部真麻呂

丈部 真麻呂（はせつかべ の ままろ）

丈部真麻呂（はせつかべ の ままろ）は、奈良時代に活動していた防人です。彼の生没年は不詳ですが、地元は現在の静岡県袋井市にあたる遠江国山名郡です。

略歴

真麻呂は、天平勝宝7年（755年）の2月に防人として筑紫に派遣されました。防人とは、地域を防衛するために派遣される軍人のことを指します。地域の安全を守るための重要な役割を果たしていた彼の存在は、当時の日本の歴史において一つの重要な要素となっています。

歌と文学

真麻呂は、歌人としても知られており、彼の詩は『万葉集』に収められています。この古典文学作品の中で、彼が詠んだ歌は特に心に残るものであり、彼の人柄や感情を深く表現しています。彼の詩の中から一首を紹介します。

時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来ずけむ（万葉集20-4323）

この歌には、母への思いが込められており、花の咲く様子を通じて心情を表現しています。このように、彼の歌は自然や人間関係を感じさせる情緒豊かなものであり、当時の人々に愛されていたことでしょう。

家系

『万葉集』の巻20には、丈部氏に関する記録がいくつかあります。真麻呂の他にも、同じ山名郡から丈部川相、佐野郡の丈部黒当といった名前が見られ、彼の家系及び出身地がいかに重要であったかを示しています。古代日本において、氏族の背景や地元との結びつきは非常に重要な要素であり、丈部氏もその一翼を担っていたことが伺えます。

参考文献

丈部真麻呂に関する情報は、以下の書籍で詳しく解説されています。

• - 中西進訳『万葉集 全訳注原文付』、講談社、1978年。
• - 坂本太郎・平野邦雄監修『日本古代氏族人名辞典』、吉川弘文館、1990年。
• - 佐伯有清編『日本古代氏族事典』、雄山閣出版、1994年。

関連項目

丈部真麻呂の活動は、当時の武士や防人の役割を理解するうえで貴重な情報となります。また、万葉集の詩歌は、古代日本の文学や文化を知るための重要な資料です。彼の持っていた精神や思想は、後の時代へと引き継がれていくことでしょう。このように、丈部真麻呂の足跡は、歴史に名を刻む重要な存在であると言えます。

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