三つ峠駅

三つ峠駅

三つ峠駅（みつとうげえき）は、山梨県南都留郡西桂町小沼に所在する、富士山麓電気鉄道富士急行線の鉄道駅です。駅には「FJ11」の駅番号が付与されています。

この駅は、西桂町内において唯一の駅であり、駅名の由来ともなっている標高1786メートルの三ツ峠山への登山口としての役割を担っています。登山シーズンには多くの登山客で賑わうほか、地域の生活を支える拠点でもあります。

歴史

三つ峠駅の歴史は、1929年（昭和4年）6月19日に「小沼駅」として富士山麓電気鉄道の駅が開業したことに始まります。その後、1943年（昭和18年）9月20日には現在の駅名である「三つ峠駅」に改称されました。運営会社の変遷を経て、1960年（昭和35年）5月30日には社名変更に伴い富士急行の駅となり、さらに2022年（令和4年）4月1日には富士急行からの鉄道事業分割により、再び富士山麓電気鉄道の駅となりました。この間、1971年（昭和46年）9月16日には駅業務が委託化されています。近年の動きとしては、2015年（平成27年）3月14日より交通系ICカード「Suica」が利用可能となり、そして長らく親しまれてきた駅舎が2024年（令和6年）5月1日にリニューアルオープンしました。

駅構造

地上に設置された駅であり、列車がすれ違いを行うことができる島式ホーム1面2線を有しています。線路はおおむね北東から南西方向へ延びており、駅舎は線路の南東側に位置しています。本線の脇には1本の側線が設けられており、これは駅の東桂方面から南側へ分岐し、本線に並行して寿方面へ伸びた後、駅舎の手前で途切れています。ホーム上には、悪天候時などにも利用できる待合所が設けられていますが、これは扉で閉じることが可能です。

ホームに面したのりばは、駅舎に近い側から1番線、2番線と付番されています。ホームの寿側の端部は緩やかな斜面になっており、その末端から河口湖方面へ向かう線路を横断して駅舎に至るまで、構内踏切が設置されています。この踏切には、利用者の安全のため遮断機と警報機が備えられています。

駅業務に関しては、かつては駅員が常駐する直営駅でしたが、1971年からは外部に業務委託されています。改札口には簡易Suica改札機が設置されており、ICカードでの乗降に対応しています。

駅舎

開業当初の1929年から使用されてきた駅舎は、一部建て替えを経ながらも長年地域に根差していましたが、2024年5月に全面的にリニューアルされました。このリニューアルは、西桂町と連携して進められたプロジェクトです。特に、町の新たな庁舎建設に伴い移転が必要となった地域のコミュニティ施設が、新しい駅舎内に設けられることになりました。新駅舎のデザインは、東京造形大学が開催したデザインコンペティションを経て決定されたものです。

新しい駅舎の屋根に設置された風見鶏は、駅のシンボルとして親しまれています。また、この駅舎は、その趣のあるたたずまいから、テレビドラマやCM、アニメーション作品などの舞台としても度々使用されています。例えば、テレビドラマ『湯けむりスナイパー』の第6話や、アニメ『ヤマノススメ』シリーズにも登場しています。特に『ヤマノススメ』では、登場人物たちが三つ峠登山に利用するシーンが描かれており、2014年には記念撮影用のフォトスポットが期間限定で設置されたこともあります。

のりば

当駅は、1番線を主本線とする一線スルー方式を採用しています。このため、通常時は上り・下りのいずれの列車も1番線を使用します。列車同士の行き違いを行う際には、基本的に上り列車が2番線に入線しますが、一部の下り列車が2番線を使用する場合もあります。なお、JR線へ直通する普通列車に関しては、ホームの有効長の都合から、他の列車の行き違いの有無にかかわらず、常に2番線に入線します。

利用状況

近年の具体的な数値は提供されていませんが、参考として2013年度（平成25年度）における1日の平均乗降人員は519人でした。

駅周辺

三つ峠駅は、西桂町の中心部に位置しており、町役場は駅の南東方向へ100メートルほどの近距離にあります。駅名が示す通り、三ツ峠山への主要な登山口であり、駅前には登山客や観光客向けの土産物店や食堂なども点在しています。三ツ峠山の山頂へは、駅から西へおよそ7キロメートルの道のりとなります。

駅周辺には、西桂町役場のほか、小沼郵便局、富士見散策路、三ツ峠グリーンセンター、山梨中央銀行小沼支店などの施設があります。また、近くには国道139号が走り、中央自動車道の西桂バスストップも利用可能です。

隣の駅

富士山麓電気鉄道

■富士急行線

東桂駅 (FJ10) - 三つ峠駅 (FJ11) - 寿駅 (FJ12)

関連情報

日本の鉄道駅一覧
てるてるあした - このドラマでは、舞台となる架空の町「佐々良」の鉄道駅「佐々良駅」として、当駅の駅舎が登場しました。
* ヤマノススメ - 漫画およびテレビアニメシリーズにおいて、登場人物たちが三つ峠山へ登山する際に当駅を利用する場面や、テレビアニメ第2期のエンディング映像に駅が登場しています。

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