三世 (日系人)

三世（さんせい）について

「三世」は、日本から南北アメリカやオセアニアに移住した日本人の第三世代を指す言葉です。彼らは、一般的に二世を親としており、大多数は1945年以降に誕生しています。

移住の歴史

日本人移民の組織的な移住は、1897年に35人がメキシコに渡ったことが始まりです。この時以来、日本人は多くの国に移住し、特にブラジル、アメリカ合衆国、カナダ、ペルーには、大きな日系人コミュニティが形成されています。これにより、各国の文化における影響やアイデンティティの変容が生まれています。

ブラジル

ブラジルは、世界で最も多くの日系人を抱えている国です。約150万人の日系人が存在し、彼らはブラジル社会の中で重要な役割を果たしています。日系人以外のブラジル人との結婚も進み、様々な文化的融合が進行中です。

アメリカ

アメリカでは、三世は第二次世界大戦後のベビーブームの時期に多く生まれました。この世代の多数が西海岸に住んでいた時期、彼らは大統領令9066号により強制収容所に抑留される経験をしました。戦後、彼らは謝罪と賠償を求める運動に参加し、アメリカ政府からの謝罪を勝ち取ることができました。この過程を通じて、三世はアメリカのアイデンティティと日本のルーツの間で葛藤し、独自の立ち位置を見い出すことになります。

代表的な三世の一人であるエリック・シンセキは、アジア系アメリカ人として初めて四つ星の大将に昇進した経歴を持っており、彼の存在は日系アメリカ人の社会的地位の向上を象徴しています。

カナダおよびペルー

カナダとペルーにも日系人コミュニティが存在しますが、これらの国における三世の経験やアイデンティティは、各国の社会背景や文化によって大きく異なります。

文化と世代の違い

日系人コミュニティでは、世代を表すために一世（Issei）、二世（Nisei）、三世（Sansei）、四世（Yonsei）、五世（Gosei）といった用語が使われています。これらの世代は、権利や文化、帰属意識、宗教的背景、そして儀式において異なる姿勢を示します。

特に、一世と二世の間には、日本への価値観や社会的認識に関して摩擦が生じることが多く、これは戦後の世代間でも同様です。1988年には、市民の自由法により、二世とその子供たちの帰属意識に大きな変化がもたらされました。

三世のアイデンティティ

三世たちは、現地の公用語を第一言語として話し、各国の社会に深く同化しています。彼らの大多数は日本語を理解せず、アイデンティティを日本ではなく、アメリカやブラジルといった居住国から形成しています。また、非日系人との婚姻が進んでおり、アメリカでは50%、ブラジルでは64%に達しています。

このように、三世は日本の文化と現地文化の融合を体現し、その中で自身のアイデンティティを探求し続けています。

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