三井三池争議

三井三池争議の概要

三井三池争議とは、福岡県の三井三池炭鉱で発生した大規模な労働争議で、特に1959年から1960年にかけての出来事が著名です。一般的にはこの期間の争議が「三池争議」または「三池闘争」として知られています。

背景

三井三池炭鉱は、1946年に労働組合が設立され、その後、労使協調路線を取っていました。ところが、1947年に九州大学の教授・向坂逸郎がこの地域で『資本論』の講義を行い、労働者たちの意識は次第に変化していきました。向坂はここを社会主義革命の拠点と位置付け、労働者の教育を進めました。

1953年のストライキ

1953年、三井鉱山側の経営合理化策として3464人に退職を勧告し、不服従の2700人を指名解雇したことが引き金となり、労働者たちがストライキに突入しました。この闘争は113日間続き、最終的には労働者たちが勝利を収めたものの、それに伴う退職者も多く、実際の労働状況は厳しいものでした。

孤立する三池労組

ストライキの後、三池労組は労使協調派が弱まり、より過激な活動家たちの影響を受け始めました。1955年には労働者の子女採用を義務付ける協定を結び、職場での収入の平均化を図るなど、労働者自治区の様相を呈していきました。この過程で、労働者間の連帯感は薄れ、事務職員との関係が悪化していきました。

1959 - 60年のストライキ

やがて、三井鉱山の経営がさらに悪化する中、1959年に6000人の希望退職を含む再建策が提案されましたが、労組は無期限ストに突入。会社側のロックアウトなどで事態は悪化し、労働者は孤立無援の状況に陥ります。生活資金が尽き、一部の組合員は新たに結成された第二組合に参加し、ストライキを離脱しました。これは内部の対立を助長し、さらに混乱を招きました。

新労組と内乱

新労組は操業再開を決意し、入山を試みますが、旧労組との衝突が起こり、内乱の様相を呈していきました。警察が介入する中、石炭出荷をめぐる闘争はエスカレートし、有明海戦と呼ばれる事件に発展しました。双方が暴力的な手段に出る中、労働争議は単なる経済的要求を越えて政治的な局面を迎えます。

結末と影響

結局、1960年11月、三池労組は敗北しストライキを解除することに至りました。この争議は、労働運動のあり方や政治的立場に影響を与え、以降の労働組合活動に変化をもたらしました。また、1963年に起きた炭じん爆発事故は、三池労組と鉱山経営との連携不足がもたらしたものであり、両者の対立の結果としての教訓でもあります。三井三池争議は、労働者の権利を求める運動の重要な一幕として、今なお多くの議論を呼び起こしています。

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