三井住友海上駿河台ビル

三井住友海上駿河台ビルの詳細

三井住友海上駿河台ビルは、東京都千代田区神田駿河台に所在するオフィスビルです。1984年に大正海上火災保険の本社ビルとして竣工しました。その後、企業の合併・商号変更に伴い、現在の名称へと変更されています。竣工当初から環境に配慮した設計がなされており、その先進性が注目されています。

建築の特色

防災性能: 地下31mの基礎、規定の3倍となる1,000トンの消防水利を備えるなど、損害保険会社の本社として相応しい防災性能を誇ります。
環境配慮: 中水道設備により雨水を再利用、竣工当初は太陽熱温水器を設置。高層棟下部はピロティ構造でビル風対策、庇や欄間窓で直射日光を遮り、空調電力消費を抑制。屋根には高反射率塗料を使用し、ヒートアイランド現象を緩和します。エネルギー消費量も、竣工当初から高い水準を維持しています。
立地: 御茶ノ水駅から徒歩圏内、東京メトロ新御茶ノ水駅とは地下で直結しており、交通アクセスも非常に便利です。また、敷地内には新御茶ノ水駅前郵便局があります。

受賞歴

三井住友海上駿河台ビルは、その優れた設計と環境への配慮が評価され、数々の賞を受賞しています。

1985年：第26回BCS賞
1993年：第1回千代田区都市景観賞
2004年：第3回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール環境大臣賞
2016年：第1回ABINC賞優秀賞

屋上緑地の取り組み

西側の低層棟には、2,614m²もの広大な屋上庭園が設けられており、周辺環境との調和を目指しています。屋上庭園は、以下の3つのゾーンに分かれています。

フォレスト: ヤマモモやクスノキなどの木々が植えられたエリア
パーク: デッキチェアが配置された、くつろぎの空間
屋上クラインガルテン: 社員や近隣住民に貸し出され、ガーデニングを楽しめるエリア

2012年には、常緑樹の一部を落葉樹や果樹に植え替え、小さな田んぼも設けることで水生昆虫が生息できる環境を整備。皇居と上野公園の中間地点における緑の拠点として、野鳥の生息域拡大にも貢献しています。

また、新館の敷地西側にも「ECOM駿河台」という緑地帯が設けられており、緑豊かな環境づくりに積極的に取り組んでいます。

隣接施設

甲賀通りを挟んだ北隣には、以前は新日本証券の本社がありましたが、後に三井住友海上駿河台別館として利用され、2012年に三井住友海上駿河台新館に建て替えられました。新館は高さ約102mで、本社機能を集約しています。

まとめ

三井住友海上駿河台ビルは、防災性能と環境配慮を兼ね備えたオフィスビルです。屋上緑化への取り組みは、都市における緑の重要性を示しています。数々の賞を受賞していることからも、その先進性が高く評価されていることがわかります。

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