三保村 (神奈川県)

神奈川県足柄上郡に存在した幻の村、三保村

三保村は、かつて神奈川県足柄上郡に存在した村で、現在の山北町北部に位置していました。丹沢湖（三保ダム）周辺に広がる自然豊かな地域でしたが、ダム建設によりその多くが水没し、現在はその姿を湖底に沈めています。

地理

三保村は、丹沢の山々に囲まれた場所に位置していました。主な山として、日影山、檜岳、雨山、鍋割山、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、檜洞丸、大室山、加入道山、大界木山、城ヶ尾山、菰釣山、鉄砲木ノ頭、三国山、明神山、湯船山、不老山などが挙げられます。これらの山々を源流とする玄倉川、中川川、世附川が村を流れ、豊かな自然を育んでいました。また、三国峠、世附峠といった峠も存在し、交通の要所としての役割も担っていました。

歴史

三保村は、1909年（明治42年）4月1日に、中川村、玄倉村、世附村が合併して誕生しました。これらの村は、合併以前から町村組合を結成し、連携を深めていました。1925年（大正14年）2月1日には、神縄村の一部（字田ノ入、尾崎など）を編入し、村域を拡大しました。

しかし、1955年（昭和30年）2月1日、三保村は山北町、共和村、清水村と合併し、新たに山北町が発足。これにより、三保村は廃止されました。そして、1978年（昭和53年）7月、三保ダムが竣工。ダム湖である丹沢湖の完成により、神尾田、世附（旧世附村）、大仏（旧中川村）、焼津（旧中川村）、玄倉といった集落が水没しました。ただし、世附の浅瀬地区と玄倉の一部は水没を免れ、現在もその名残をとどめています。

水没した村の記憶

三保ダムの建設は、村の歴史を大きく変えました。多くの家や田畑が湖底に沈み、住民は移住を余儀なくされました。しかし、水没した村の記憶は、今もなお人々の心に深く刻まれています。丹沢湖を訪れる人々は、その美しい景色とともに、かつてここに存在した村の歴史に思いを馳せることでしょう。

参考文献

角川日本地名大辞典 14 神奈川県

関連項目

三保ダム - 丹沢湖
* 神奈川県の廃止市町村一覧

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