三六戦争

三六戦争の背景と経過

三六戦争（さんろくせんそう）とは、自由民主党内の清和会における三塚博と加藤六月の権力抗争を指します。この戦争は、自民党という巨大な政党の内部での権力闘争が展開された一幕であり、特に運輸族としての彼らの影響力が重要な要素でした。

抗争の始まり

この抗争は、国鉄の分割民営化をめぐる対峙からスタートしました。三塚は推進派に位置し、加藤は反対派でした。この基本的な意見の相違が二人の間に緊張をもたらす要因となりました。さらに、安倍晋太郎が他界した後、清和会内での主導権をめぐる派閥争いが激化し、その結果として派閥分裂が起こりました。

安倍の後継者を巡る争い

安倍派の幹部として知られる加藤、三塚、塩川正十郎、森喜朗の4人は、いわゆる「安倍派四天王」として名を馳せていました。1991年5月に安倍が亡くなった際、彼の後継者争いが本格化しました。三塚はこの中で最年少でしたが、リクルート事件での連座を免れたことで、徐々に実力を増していきました。

当初、加藤は自民党政調会長に就任するため、派閥から離れましたが、彼は塩川を立てて三塚に対抗させます。しかし、塩川は期待されたほどの支持を集められず、最終的に選挙から降りることになります。このため、三塚は主導権を獲得し、清和会内での地位を確立しました。

反撃と復讐

加藤は不利な状況に陥り、派閥内での争いが激化する中、彼は三塚派から除名される事態となりました。一方で、三塚は宮澤内閣成立前に自民党総裁選に立候補しましたが、最下位に終わりました。その後、三塚派の閥は次第に冷遇され、入閣者がゼロという非常に厳しい状況に見舞われました。

権力の移動

1996年11月、三塚は蔵相に任命されましたが、金融危機という難しい局面において十分な成果を上げられず辞任を余儀なくされました。これで彼の政界入りの道は断たれ、最終的には派閥を森に譲ります。加藤もまたその後、政界を離れ新しい道を歩むことになりました。

結末とその後の影響

三六戦争は、自民党内の権力構造を根本から揺るがす事件でした。この抗争は、清和会の他の派閥との間でさらなる権力闘争を引き起こし、その後も政界の動きに深い影響を与え続けます。三塚と加藤の権力闘争は、清和会内の競争が未来の政治指導者を生む土壌を形成しました。結果として、この争いは今後の内閣総理大臣の選出や自民党の運営に多大な影響を及ぼすこととなります。

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