加藤六月

加藤 六月（かとう むつき）

加藤六月は、1926年6月17日に岡山県笠岡市に生まれ、日本の著名な政治家として知られています。彼は1926年から2006年まで生き、全盛期には農林水産大臣、国土庁長官、北海道開発庁長官などを歴任しました。彼の政治キャリアは長いもので、衆議院議員としては11期にわたって議席を維持しました。

教育と教員生活

加藤は陸軍士官学校を経て、1947年には姫路高等学校の文科乙類を卒業しました。高校を卒業後は、笠岡市の中学校や高等学校で教員として勤務し、その間に日教組活動を盛んに行い、1949年には岡山県の教職員組合において小田郡支部の書記長に選ばれるなど、教育に対して強い情熱を持っていました。さらに、彼は青年団運動にも参加し、地域社会に貢献しました。

政治活動の始まり

1950年には国民協同党に接触し、衆議院議長となる星島二郎に秘書として仕官しました。1967年には、自民党の公認を受けて旧岡山2区から立候補し、初当選を果たしました。その後、連続して当選を重ね、「六龍戦争」と呼ばれる激しい選挙戦を経て、地盤を固めていきました。

内閣での役割

初の閣僚職は1972年の第1次田中角栄内閣における運輸政務次官でした。ここでは、ロッキード事件に関与したとして「灰色高官」と名指しされる事態が発生し、以降の閣僚職に影響を与えることとなります。1982年には第1次中曽根内閣において、国土庁長官と北海道開発庁長官として入閣しました。この間、税制改革のための大綱をまとめるなど、農林水産業、運輸、税制に関する政策に深く関与しました。

政治家としての影響力

加藤は自民党内で福田派から安倍派へと所属し、当選同期の塩川や早期の三塚博とともに安倍派四天王としての地位を築きました。特に安倍晋太郎からの信頼が非常に厚く、党内での調整役としても活躍しました。しかし、リクルート事件や翌年の安倍派内紛など、波乱万丈な出来事が彼に影響を及ぼしました。

複雑な派閥関係

1991年には安倍派の後継を巡り三塚らと激しく対立し、派閥の総会に乗り込むも追い返され、結果として新しいグループ「政眞会」を結成するも影響力を持つことには失敗しました。その後も党内の変動に翻弄されましたが、1994年に無所属で新生党に参加し、羽田内閣では再び農水大臣として職務を全うしました。

政界からの引退と晩年

政治活動の後は新進党、自由党で小沢と行動を共にし、1997年には保守党を結成。その後、2000年第42回衆議院議員選挙には立候補せず政界を引退しました。2006年には心不全により79歳で亡くなり、その功績が称えられ正三位に叙されました。

家族と関連人物

加藤の家族には、兄が参議院議員や岡山県知事を務めた加藤武徳、甥が元参議院議員の加藤紀文、娘婿には自民党衆議院議員であり内閣官房長官を務めた加藤勝信がいます。また、プロ野球選手の星野仙一との親交や、横綱朝青龍明徳への支援など、さまざまな人々との関係を築いていました。

加藤六月の生涯は、教育現場から政治の舞台へと進み、日本の政治に大きな影響を与えたことを示しています。

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