三原さと志

三原 さと志

三原さと志（みはら さとし）は、本名小山田晃（おやまだ あきら）として知られる日本の著名な歌手です。1935年7月3日に生を受け、2006年9月30日に71歳でその生涯を閉じました。彼は主に歌謡コーラスグループ「和田弘とマヒナスターズ」のリードボーカルとして、昭和の歌謡界に大きな足跡を残しました。

彼の家族には、元妻である伊都子（ポップス歌手の田辺靖雄の姉）がおり、二人の間にはミュージシャンとして活躍する長男の小山田圭吾がいます。また、孫には小山田米呂が、妹の夫には版画家の中林忠良がいるなど、芸術分野との繋がりも持っていました。

経歴と「マヒナスターズ」での活躍

三原は中国の青島で生まれ育ちました。音楽の道に進み、1958年に既に活動を開始していたコーラスグループに参加します。このグループは元々1953年に和田弘らが「山口銀次とマヒナスターズ」として結成し、山口の脱退後に1954年から「和田弘とマヒナスターズ」と改称していました。三原は加入後、その歌唱力を買われ、グループのリードボーカルを担うことになります。

マヒナスターズは、その甘くムードのあるコーラスと三原のリードボーカルにより、数々のヒット曲を生み出しました。特に、女性歌手とのデュエットは大きな成功を収めました。田代美代子と共演した「愛して愛して愛しちゃったのよ」、「寒い朝」、「お座敷小唄」といった楽曲は国民的な人気を博しました。また、1960年には松尾和子と共に歌った「誰よりも君を愛す」が、その年の第2回日本レコード大賞を受賞するという輝かしい功績を挙げました。

グループ活動における変化

グループの歴史の中で、松平直樹をはじめとする一部メンバーが離脱する時期もありましたが、三原はリードボーカルとしてマヒナスターズに留まり、活動を継続しました。しかし、1983年に一度グループを離れる決断をします。それでも、3年の時を経て1986年には再びグループに合流し、その歌声を届け続けました。

2001年には、リーダーである和田弘との間に生じた意見の対立が原因で、再度マヒナスターズを脱退することとなりました。その後、同じくグループを離れたメンバーたちと共に、2002年には新たなグループ「ザ・マヒナスターズ」を結成し、活動の場を移します。2003年5月には、「マハロ☆エコーズ」（和田以外の元マヒナメンバーで構成されたグループで、現在のマヒナスターズに繋がる）としてシングル「ブルースを囁いて」をリリースしましたが、これが彼の歌手としての最後のレコーディング作品となりました。

晩年と死去

2003年7月、三原は脳梗塞を発症し倒れ、これにより芸能活動を中断せざるを得なくなりました。歌手としての復帰を目指し、懸命なリハビリに励む日々を送っていました。しかし、その願いも叶わず、2006年9月30日の午後6時頃、東京都世田谷区にある病院において、呼吸不全のため静かに息を引き取りました。

マヒナスターズは、和田弘の没後、往年のメンバーであった松平直樹や佐々木敢一らが中心となって活動を続けていましたが、三原は前述のような自身の状況から、その後のグループ活動に参加することは叶いませんでした。

なお、誤解されやすい情報として、子供向け番組『ひらけ!ポンキッキ』の楽曲「まる・さんかく・しかく」「カンフーレディー」などの作曲や、『みんなのうた』の「だるまさんがころんだ」の編曲を手がけた小山田暁氏は、三原さと志（小山田晃）とは別人であることを付記します。

これらの経歴を持つ三原さと志は、その独特の歌声と表現力で、日本のムード歌謡の歴史に欠かせない存在として記憶されています。

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