三原市立第三中学校

広島県三原市に所在する三原市立第三中学校は、地域に根ざした教育を長年にわたり提供している公立中学校です。学校の北側にはかつて三原市立南小学校が位置していましたが現在は移転しており、南側には現在も広島県立三原高等学校が隣接しています。これらの教育機関が集まる文教地区の一角に位置しています。

沿革

本校の歴史は、第二次世界大戦後の教育制度改革が進められていた1947年（昭和22年）5月に幕を開けました。開校当初は、田野浦小学校の校舎の一部を間借りする形で設置され、同時に三原市立西小学校内に西分校、三原市立須波小学校内に須波分校が開設されました。当時の生徒数は311名、学級数は11でした。特に西分校は、開校後比較的早い段階で、西野町にあったアートライト工場の跡地を利用した仮校舎へと移転するなど、初期は施設の確保に苦慮しながら運営されていました。

学校施設の安定化は、現在の場所に本校舎が完成した1948年（昭和23年）9月にもたらされました。しかし、この新しい校舎は当初、三原市立第二中学校と共同で使用される形態をとっていました。その後、1949年（昭和24年）6月には第二中学校が旧鉄道学校の跡地へ移転したため、第三中学校は晴れて本校舎を単独で使用できるようになり、教育環境の整備が一歩進みました。

施設の拡充は続き、1953年（昭和28年）5月には三原市立南小学校との共用となる講堂が完成し、学校行事や体育活動の場として利用されるようになります。さらに1958年（昭和33年）4月には、遠距離から通学する生徒のために若竹寮が新築され、生徒の学びを支える体制が強化されました。

学校規模の拡大に伴い、1982年（昭和57年）4月には三原市立宮浦中学校が本校から分離独立しました。この宮浦中学校は、当時の西小学校区に加え、宮浦町、皆実町、新倉町の一部を校区としています。

近年、学校を取り巻く環境や生徒のニーズの変化に対応するため、さまざまな教育支援事業に積極的に取り組んでいます。2005年（平成17年）4月と2007年（平成19年）4月には、広島県から中学校不登校対策実践指定校として指定を受け、生徒一人ひとりに寄り添った支援体制の構築に注力しました。また、2008年（平成20年）4月には、広島県の不登校児童生徒支援モデル事業および三原市教育創造プラン推薦事業の指定を受け、支援体制をさらに発展させました。生徒の学力向上に関しても力を入れており、2009年（平成21年）4月には広島県から中学校学力対策事業の指定を受けています。

施設の老朽化が進んだことから、2015年（平成27年）には校舎の建て替えが決定し、全面的な改修工事が進められました。そして2016年（平成28年）8月には、最新の設備を備えた新校舎が無事完成し、新たな教育環境のもとで学校の歴史が引き継がれています。

教育目標と校訓

本校では、生徒たちが未来を切り拓く力を身につけることを目指し、教育活動を展開しています。その根幹を成す校訓は「自立・挑戦・創造」です。生徒が主体的に考え判断し行動できる「自立」、困難に立ち向かい新しいことに挑む「挑戦」、そして既存の概念にとらわれず新しい価値を生み出す「創造」の精神を育むことを教育目標として掲げています。

通学区域

三原市立第三中学校の通学区域は、地域の小学校区に基づいて定められています。主な対象となるのは、三原市立南小学校の通学区域の一部と、三原市立田野浦小学校の通学区域の全域です。具体的には、南小学校区からは宮沖一丁目から五丁目、円一町一丁目から五丁目、港町二丁目が、田野浦小学校区からは明神一丁目から五丁目、田野浦一丁目から三丁目、青葉台、宗郷一丁目から五丁目、和田一丁目から三丁目、貝野町、登町、和田沖町が本校の通学区域に含まれます。

周辺環境とアクセス

学校は、JR呉線がすぐ西側を走る交通至便な地域に立地しています。周辺には、南側に隣接する広島県立三原高等学校をはじめ、三原宮沖郵便局などが点在しており、落ち着いた環境です。

本校へのアクセスとしては、JR三原駅から南西方向へ約1kmの距離にあり、徒歩でのアクセスも可能です。また、芸陽バスを利用する場合は、「税務署前」バス停で下車するのが最も便利です。

著名な出身者

三原市立第三中学校は、これまで多くの分野で活躍する著名な卒業生を輩出してきました。主な出身者としては、

1972年ミュンヘンオリンピックの競泳男子100m平泳ぎで金メダルを獲得した田口信教氏
1968年メキシコオリンピックに競泳日本代表として出場した早稲田昇氏
作家・僧侶として活躍する川西蘭氏
コンピューターゲーム会社コンパイルの創業者である仁井谷正充氏
歌手のLeyona氏
プロ野球・読売ジャイアンツで投手として活躍した川本大輔氏
* 元社会人野球選手の片山純一氏

などが挙げられ、多岐にわたる分野で本校の卒業生が活躍しています。

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