三叉山

三叉山（さんさざん）は、台湾の南東部に位置し、台東県海端郷、花蓮県卓渓郷、高雄市桃源区の三つの行政区にまたがる標高3,496mの山です。この山は、台湾で最も標高の高い山々が集まる地域にあり、玉山国家公園の境界の一部を形成しています。

特徴

三叉山の最も特徴的な点は、そのなだらかで広大な草原の山体です。山頂付近まで緑の草に覆われており、他の高山とは異なる独特の景観を作り出しています。この美しい景観から、三叉山は台湾百岳の一つに数えられ、その中でも27位にランクインしており、「十崇」の一つとしても知られています。登山愛好家にとっては、比較的登りやすい山としても人気があります。

歴史的な出来事

三叉山は、美しい自然を持つ一方で、過去に二つの大きな航空機事故が発生した場所でもあります。

三叉山事件

1945年9月10日、第二次世界大戦終結直後、フィリピンから飛び立ったアメリカ軍の軍用機が、三叉山の東北東部に墜落する事故が発生しました。この事故により、解放されたばかりのアメリカ人捕虜を含む搭乗者全員26名が命を落としました。

さらに、この事故の救助に向かった日本軍の警備隊も悲劇に見舞われました。救助隊は3隊に分かれていましたが、前隊の26名が途中で遭難し、生存者は後隊にいた憲兵の曹長、後山定氏ただ一人という悲惨な結果となりました。この事件は「三叉山事件」として知られ、多くの人々に深い悲しみを与えました。

2012年大鵬航空BN-2墜機事件

2012年8月30日には、大鵬航空の航空写真撮影機が消息を絶ちました。その後、9月1日に三叉山の東側で墜落しているのが発見されました。この事故では、機長、副操縦士、そして航空写真撮影員の計3名が犠牲となりました。

これらの事故は、三叉山の厳しい自然環境と航空機の安全に対する課題を改めて浮き彫りにしました。

まとめ

三叉山は、その美しい景観と歴史的な出来事から、多くの人々に記憶される山です。台湾百岳の一つとして登山家に愛される一方で、過去の悲劇を忘れないためにも、訪れる際には自然への敬意と安全を心がける必要があるでしょう。

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