三号爆弾

三号爆弾（さんごうばくだん）

三号爆弾は、大日本帝国海軍によって開発され、使用されたクラスター[[爆弾]]の一種です。主に親子爆弾として知られ、一つの親爆弾に多数の子爆弾（弾子）を内蔵しています。そのため、爆発後に子爆弾が飛散し、広範囲にわたって焼夷効果を発揮します。初めは飛行場を破壊する目的で開発されましたが、戦局が厳しくなると、敵航空機に対する迎撃用に転用されました。

構造と機能

この爆弾は、親爆弾の内蔵弾子を射出するために、炸薬と遅延信管を利用しています。投下された後、所定の時間に信管が作動し、内部の炸薬が爆発することで、弾子が150 m/sから300 m/sの速度で放出されます。散開角度は100度から60度まで調節可能で、日本海軍ではこれを「束藁角」と呼んでいました。弾子は数十秒間燃焼しながら飛散し、対象に命中した際に焼夷効果を引き起こします。主な材料として、テルミットや黄燐が使用されました。

この爆弾の比較的軽量な親爆弾は、通常30 kgから250 kgの範囲で、戦闘機の翼下に懸吊されて運用されました。さらに、三号爆弾は約100mの半径にわたる範囲内で効果を発揮しました。実際の使用においては、敵機の上方から未来の位置を予測して投下されましたが、近接信管の未開発により、時限信管が使用されました。これが原因で、的確な投下が難しいことが課題とされました。

運用と戦果

名だたる艦載機のパイロット、岩本徹三は、この兵器の運用において特に優れた能力を持ち、ラバウルやトラック島における戦闘では多くの成果を上げました。そのため、三号爆弾は他の兵器と連携し、敵の編隊を乱すための戦術的要素としても活用されました。

種類とバリエーション

三号爆弾にはいくつかのバリエーションが存在し、主なものには以下があります。

1. 九九式三番三号爆弾

昭和14年頃から対地攻撃用に開発され、昭和15年に制式化されました。全長693mm、全備重量は33.72kgであり、黄燐を用いた弾子144個を内蔵しています。この爆弾は、回転を利用して安定した弾道を実現していました。

2. 三式六番三号爆弾

昭和19年10月から部隊配備が始まりました。この爆弾は、270個の弾子を内蔵し、全備重量は56.6kgです。高空での信管の誤作動が問題とされることがありました。

3. 二式二五番三号爆弾

昭和17年頃から開発に着手し、生産は昭和18年1月から開始されました。全備重量246kgで、内部に780から800個の焼夷弾子を内蔵しています。

まとめ

三号爆弾は、戦時中の日本海軍によって大きな役割を果たした重要な兵器です。その多機能性と効果的な運用戦略は、対空兵器としての地位を確立しました。アメリカ軍による戦後の調査では、数年間にわたって多くの生産が行われたことが記録されていますが、正確な数には誤差が見られるため、その評価には注意が必要です。

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