三和村 (新潟県)

三和村（さんわむら）

かつて新潟県の南西部に位置し、中頸城郡のほぼ中央を占めていたのが三和村です。この村は、昭和30年（1955年）に周辺の三村が合併して誕生し、約半世紀にわたり独自の歴史を刻んできました。地理的には北側を上越市に接しており、平成12年（2000年）の国勢調査によると、住民の43.5%が上越市へ通勤するなど、隣接都市との結びつきが強い地域でした。

この村は、平成17年（2005年）1月1日、隣接する上越市に編入合併され、その役目を終えました。旧村域は現在、上越市の地域自治区である三和区として新たな歩みを進めています。

地理

廃止される時点において、三和村が隣接していた自治体は以下の通りです。

上越市
中頸城郡：頸城村
東頸城郡：浦川原村、牧村

これらの自治体との間で、地形的な境界や住民の交流がありました。

歴史

三和村の歴史は、昭和の大合併によって始まりました。その沿革は以下のようになります。

1955年（昭和30年）10月1日：中頸城郡に属していた里五十公野村、上杉村、美守村が合併し、「三和村」として発足しました。この合併により、新たな行政区域としての三和村が誕生しました。
2005年（平成17年）1月1日：三和村は上越市に編入合併されました。これにより自治体としての三和村は廃止され、その区域は上越市の地域自治区「三和区」となりました。

行政・経済

村政の最高責任者である村長には、廃止時まで高倉英雄氏が務めていました（平成10年7月24日就任）。

村の経済構造は、産業人口のデータから把握できます（数値は廃止時のものと思われます）。

第1次産業（農業、林業、漁業など）：429人
第2次産業（製造業、建設業など）：1,246人
第3次産業（サービス業など）：1,529人

これらの数値から、第三次産業に従事する住民が最も多く、次に第二次産業、第一次産業が続くという産業構造であったことがわかります。これは、近隣の上越市への通勤率の高さとも関連していると考えられます。

文化・教育・交流

教育機関としては、村内に以下の学校がありました。

上杉小学校
美守小学校
里公小学校
三和中学校

これらの学校は、地域の子供たちの学びの場として機能していました。

また、三和村は全国各地の「三和」を称する自治体との交流も盛んに行っていました。昭和63年（1988年）7月には「全国三和サミット」を提携しましたが、参加する各自治体の市町村合併により、平成16年（2004年）2月19日に解散しています。提携していたのは以下の自治体です（いずれも提携当時）。

三和町（茨城県猿島郡、現：古河市）
三和町（京都府天田郡、現：福知山市）
三和町（広島県双三郡、現：三次市）
三和町（広島県神石郡、現：神石高原町）
三和町（長崎県西彼杵郡、現：長崎市）

交通

村内に鉄道路線は存在しませんでした。また、廃止時点においては高速道路も村域を通過していませんでした。

道路網としては、国道253号が村内を通っており、地域内外を結ぶ幹線道路としての役割を担っていました。

名所・旧跡・観光

三和村には、地域資源を活かした名所や旧跡、観光スポットがありました。

米パラダイス
米と酒の謎蔵
水科古墳群

特に水科古墳群は、この地域の歴史の深さを示す貴重な文化遺産です。これらのスポットは、現在の三和区においても地域の魅力となっています。

三和村は、合併によってその姿を消しましたが、地域自治区三和区として、旧村域の歴史、文化、コミュニティは今も受け継がれています。

もう一度検索