三国志 (2008年の映画)

映画『三国志』の概要

『三国志』（原題：三國之見龍卸甲）は2008年に公開された中国・韓国の合作映画で、著名なキャストと監督によって制作されました。この映画は、人気のある史書『三国志』を基にした白話（口語体）小説『三国志演義』をダニエル・リー監督が独自に改編し、物語を描き出した作品です。主役を務めるのはアンディ・ラウで、趙雲の壮大な人生を中心にストーリーが展開されます。

映画のカギとなる部分は、趙雲が20代から70代までの人生を描いた点にあります。具体的には、彼が鎧を脱いで一時の安息を得るまでの過程を追った物語です。映画には趙雲の兄貴分である羅平安や、魏の曹操の孫娘である曹嬰など、フィクションのキャラクターも登場します。こうしたキャラクターは、ストーリーに深みを与えながらも、原作の設定を変更した点が目を引きます。特に、趙雲の最後の対戦相手を曹操の娘婿から曹嬰に変更した点は、映画のオリジナリティを感じさせます。

あらすじ

物語は、蜀の兵士趙雲が登場する場面から始まります。彼は常山郡出身であり、兄のように慕う羅平安と共に、軍師である諸葛亮の指揮のもと、魏の侵攻を食い止めるべく戦っています。羅平安は前衛隊長として頭角を現し、蜀の大将劉備の家族を守る任務に就きますが、彼の失策によって劉備の妻と息子たちを見失ってしまいます。この責任を全うするために、趙雲は一人で長坂へと赴き、魏の大軍を相手に劉備の息子阿斗を救います。この勇敢な行動によって、趙雲は瞬く間に英雄として名を馳せ、蜀の五虎大将軍に任じられます。

年月が経つ中で、主君の劉備や他の将軍たちが次々と亡くなる中で、趙雲は最後の五虎大将軍としての責任を背負います。彼は丞相である諸葛亮に願い出て、最後の北伐の指揮を任されます。その道すがら、趙雲は自身が蜀の主力を魏へ奇襲するための囮であったことを知ります。そこで趙雲は、優れた指揮を執る曹嬰との一騎討ちを通じて、彼の戦歴と蜀の士気について重要な試練に直面します。

本作では歴史的事実のいくつかが大きく脚色されており、例えば関羽と曹操が存命の間に劉備が蜀の皇帝であると名乗っていたり、張飛の死因が部下の裏切りではなく関羽の弔い合戦によるものとされています。また、後漢王朝や献帝に関する言及もありません。

『三国志』は、趙雲を中心とした力強い人物像と、彼を取り巻く人々のドラマを描いた作品であり、視覚的な美しさと共に深い人間模様を堪能できる映画となっています。

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