三國志V

『三國志V』は、1995年にコーエー（現コーエーテクモゲームス）から発売された歴史シミュレーションゲームであり、「三國志シリーズ」の第5作目にあたります。音楽は服部隆之氏が担当しました。

このゲームは、中国の三国時代を舞台に、プレイヤーは群雄の一人となって古代中国の主要都市の完全制覇を目指します。前作までの基本枠組みを踏襲しつつも、シリーズで初めて黄巾の乱のシナリオと武将が本格的に登場しました。本作の最大の特徴は、名声によるコマンド実行回数制と、戦争における陣形の導入です。

名声

名声は、君主の評判を示すもので、これが高いほど国の運営において様々なメリットが得られます。

コマンド実行回数: 名声が高いほど、1ターンに実行できるコマンド回数が増加します（3-9回、コンシューマ版は3-10回）。
成功率: 計略、募兵、人材登用、外交などの成功率が向上します。

名声は、以下の行為で上昇します。

年初の評定で決定した「目標」の達成
戦争による領土の拡大
「巡察」による民衆からの援助
後漢献帝からの密勅の受諾

逆に、名声が低下する行為は以下の通りです。

略奪
目標の達成失敗
密勅の拒否
戦争による領土の減少
徴兵
捕虜武将の斬首

担当官

各都市には、内政、外交、人事、計略、軍事、特殊（パソコン版のみ）の6つの担当官が配置されます。担当官は、訓練や募兵などの行為を実行できます。担当官の変更は、1・4・7・10月に行えます（パソコン版では特殊担当官以外は1月のみ変更可能）。

命令体系

一部のコマンドは従来のものとは大きく異なります。特に委任システムが存在しない点が特徴です。内政は、1回の命令で全都市の担当官が実行し、移動は移動先を先に決めてから武将を選びます。

武将パラメータ

武将には、武力、知力、政治力、魅力、経験値、勇名、気力、体力（戦争時のみ）のパラメータが存在します。これらのパラメータは、戦闘、内政、外交、計略などの様々な行動に影響を与えます。

武力: 部隊攻撃力、訓練度、士気などに影響します。
知力: 計略、特殊能力、治水などに影響します。
政治力: 外交、一部計略、開発などに影響します。
魅力: 登用、外交、商業などに影響します。
経験値: 特殊能力の取得に影響します。
勇名: クリティカルヒット率、兵士数上限などに影響します。
気力: 命令実行時に消費され、ターン終了後や宴会で回復します。
体力: 戦争時に特殊能力実行で消費され、一騎討ちにも影響します。

将軍位

君主は2万、軍師は2万、一般武将は8000の兵士を率いることができます。一般武将は、勇名に応じて将軍位が上がり、率いる兵士数を増やすことができます。

特殊能力

特殊能力は、武将の個性を際立たせるもので、戦争時に効果を発揮します。32種類の能力があり、各武将は最大6つまで取得できます。

主な特殊能力

火計、混乱、同討、収拾、仙術、鼓舞、治療、雨乞、天変、消火、落石、占卜、伏兵、幻術、妖術、水計、土砂、激励、藤甲、無双、沈着、水神、反計、応射、強行、陣立、騎射、火矢、乱射、奮迅、遠矢、速攻

陣形

各武将は2〜4個の陣形を持ち、それぞれ特徴があります。陣形は戦闘において非常に重要で、地形や相手との相性を考慮する必要があります。陣形には方向の概念があり、側面や後方からの攻撃は被害が増加します。戦争中に陣形を変更することは制約があり、戦略的な判断が求められます。

主な陣形

錐行、鉤行、箕形、魚鱗、偃月、鶴翼、鋒矢、衡軛、長蛇、方円、雁行、水陣、無陣。
3DS版では、密集、八卦、生者、楼船、走舸も追加された。

特殊武将

于吉、華佗、管輅、許子将、左慈、紫虚上人、司馬徽、南華老仙の8人は、特殊武将として配下にすることが可能です。彼らは非常に高い能力と全陣形、特殊能力を持っています。DS版、3DS版では、黄承彦、北斗、南斗も追加された。

サウンド

ゲームの音楽は、戦闘シーンやイベントシーンを盛り上げ、プレイヤーを三国志の世界に引き込みます。

* 光芒の竜、芳春、冬の群星、雷龍撃砕、華龍進軍、銀の舞、故山の夏、鳳蘭、海龍到来、桃天の地、竜戦、鬼道の将、落日、勝利、敗退、評定、閃火、狼将、妖雲、翠華の宴

『三國志V』は、戦略性の高さと奥深いゲームシステムで、多くのファンを魅了し続ける名作です。

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