三好橋

三好橋（みよしばし）

三好橋は、徳島県三好市にある徳島県道268号の橋で、吉野川の中流域に架けられています。当初は吊り橋として設計されましたが、1989年にアーチ橋へと改築されました。本記事では、三好橋の地理的特徴や歴史、そして改築に至るまでの経緯について詳しく見ていきます。

地理的特徴

三好橋は、山が多く谷が深い徳島県の一角に位置しています。この地域を流れる吉野川は南から北へ進み、三好橋はほぼ東西の方向に架けられています。橋の全長は243.5メートルで、その中央スパンは139.9メートルに達します。

元々吊り橋として建設されたため、橋の両端にはアンカレイジと呼ばれる構造物が残っていますが、アーチ橋に改築された後はその機能を果たさない形で存在しています。また、三好橋へは土讃線の三縄駅からもアクセス可能です。

歴史

橋の建設

三好橋を含む吉野川には、かつて多くの渡し舟が運行されていました。1891年のデータによると、124箇所の渡し舟場のうち、125箇所が吉野川に設けられていました。浸水や流失の危険から、渡し舟の運行は不安定であり、自動車の普及に伴い渡河のための頑丈な橋の建設が求められました。この流れの中で、1927年に三好橋は吊り橋として完成しました。下流側には今は池田ダムが存在していますが、三好橋はその影響を受けることなく使用され続けました。

重大な破損の発見

60年の歳月が経った1987年、三好橋のメインケーブルに腐食による破損が見つかりました。調査の結果、強度が半減していると判定され、橋の崩落の危険性があることがわかりました。このため、車両通行は禁止され、橋の将来についての検討が開始されました。他の構造部分は概ね健全であり、部分的な腐食があったものの、使用の可能性は残されていました。

補修方法の決定

メインケーブルの腐食による問題を受け、三好橋の補修が必要となりました。吊り橋としての補強方法も検討されたものの、既存のアンカレイジは再利用できないこと、地形上新たに設置も難しいことが課題として浮上しました。最終的に、残る構造を活かすため、橋の形式をアーチ橋へと変更する案が具体化しました。

改修工事

この改修工事は1987年度に始まりました。改造の過程では、橋桁の上に新たにアーチを設置し、吊り橋からアーチへの変更を行いました。これにより、橋桁が上から吊る支え方から下側から支える形へと変更されました。工事においては、メインケーブルの張力を減少させながら新たなアーチに荷重を移す慎重な作業が行われました。

工事は1989年8月に完了し、橋の挙動を確認するためのテストも実施されました。新たに設置されたアーチが橋を支える役割を果たし、形式上アーチ橋として機能するようになったことが確認されました。取り外されたメインケーブルは、記念碑として加工され、吉野川沿いに設置されています。

隣接する橋

三好橋の近くには他にもさまざまな橋が存在します。これらの橋もまた、地域の交通や風景を形作る重要な存在です。

このように三好橋は、その歴史や構造の変遷を通じて地域に深く根付いており、再生の過程を経て新たな機能を持つアーチ橋として現在も利用されています。

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