三宅春楼

三宅春楼（みやけ しゅんろう）は、正徳2年（1712年）に生まれ、天明2年（1782年）に没した江戸時代中期の儒学者です。彼は懐徳堂の第3代学主であり、初代学主である三宅石庵の息子として生まれました。名は正誼（まさよし）、字は子和（しわ）、通称は才次郎（さいじろう）と称しました。

生涯

春楼は、父・石庵の次男として大坂に生まれましたが、病弱であったため、父は彼が学者として身を立てることを危惧していました。そのため、石庵は家業として反魂丹の製造を手掛け、木村家を通じて讃岐国で販売し、その利益を得ていました。享保15年（1730年）に石庵が亡くなると、高弟であった中井甃庵が懐徳堂を継ぎ、春楼は隣家を借りて石庵の薬種業を拡大し、反魂丹の販売に力を注ぎました。しかし、経費削減のために熊胆を牛胆で代用したことが訴訟問題に発展し、中井竹山など周囲からは快く思われなかったようです。

宝暦7年（1757年）8月19日、春楼は初めて『大学』を開講し、以降4と9のつく日の夜に『大学』を講じました。翌年、第2代学主の中井甃庵が亡くなると、その遺言により、春楼が第3代学主に就任し、甃庵の子である竹山は預人となりました。安永5年（1776年）12月には、高麗橋一丁目の藤屋弥兵衛から『四書国読刪正』の出版許可が下りましたが、現在では伝存していません。

天明2年（1782年）に春楼は亡くなり、彼の墓所は父・石庵と同様に大阪府八尾市服部川の神光寺にあります。第4代学主は、預人であった中井竹山が兼任することになりました。

家族

父：三宅石庵
母：岡田氏
兄：文太郎（夭逝）
女子（夭逝）
女子（夭逝）
妻：太田氏
男子（夭逝）
妻：河合氏
男子（夭逝）
女子
女子
妻：増田氏
男子：三宅如幾（みやけ じょき） - 通称は幸蔵。春楼の死後も懐徳堂に残り、後に讃岐国へ渡りました。
庶子：三宅如式（みやけ じょしき） - 通称は永蔵。春楼の死後、中井竹山に養育され、如幾と共に讃岐国へ渡りました。

参考文献

西村天囚 『懐徳堂考』 懐徳堂記念会、1925年

関連項目

三宅石庵
* 懐徳堂

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