三島億二郎

三島億二郎について

三島億二郎（みしま おくじろう）は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した日本の武士であり、政治家、実業家でもあります。特に越後国の長岡藩士として、その地域の復興と近代化に尽力したことで知られています。

幼少期と教育背景

億二郎は文政8年（1825年）、長岡藩士の家庭に生まれました。最初の名前は鋭次郎で、同じく長岡に住む河井継之助や小林虎三郎らと幼少期からの友人関係にありました。彼の兄・伊丹政由は藩校・崇徳館の教授でもあり、この背景からも彼は学問に触れる環境で育ちました。

弘化元年（1844年）には長岡藩士の川島徳兵衛の養子となり、江戸にある藩邸に勤務することになります。この期間に彼は佐久間象山の塾に通い、吉田松陰とも交流を持つなど、近代の思想に触れながら成長していきました。

北越戦争とその後

1853年、ペリーの来航に際して、彼は藩主からの命令で浦賀に偵察に出ます。しかし、彼の報告が藩主の不興を買い、長岡に帰されることになりました。1859年には子の誕生に伴い、鋭次郎から億次郎に改名しました。

1868年の戊辰戦争では、当初は新政府軍への抵抗に反対していたものの、友人の河井らに説得され、北越戦争に参加し奮闘しました。この経験から彼は地域の復興の重要性を認識し、さらに自身の行動に向けての指針となります。

明治期の活躍

北越戦争後、豪族風の名前を持つ三島は、その後の明治新政府の変革を受けて再び三島億二郎として名乗ります。明治2年（1869年）、藩主牧野忠毅が長岡藩知事になると、彼は大参事に任命され、その後、県の大区小区制の施行に伴い、地域行政に関与するようになりました。

この時期に彼は、商業振興や町の復興に向けた活動を精力的に行い、仲間たちと共に「ランプ会」と呼ばれる集まりを通じて意見交換を重ねました。これにより、士族授産のための産物会所や女性教育のための施設の設立が進みました。また、銀行の創設にも関わり、地域の経済の基盤を作ろうとしました。

教育と福祉活動

その後も、彼は教育制度の整備や衛生行政の発展に力を入れ、国漢学校の拡充や長岡洋学校の設立、大規模病院の開設など多岐にわたる活動を展開しました。明治15年（1882年）には郡長の職を辞し、その後は北海道の開拓に取り組むことになります。

顕彰と記憶

三島億二郎の功績は後年に評価され、彼の顕彰碑が昭和2年（1927年）に悠久山公園に建立されました。また、日記に記された彼の活動は長岡市の文化財として保存され、現在も多くの人々に読まれています。彼の生涯と業績は、地域の歴史に深く影響を与え、後世に語り継がれている重要な存在です。

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