三川泉

三川泉（みかわ いずみ）は、1922年2月1日に生まれ、2016年2月13日に94歳で生涯を閉じた、シテ方宝生流の能楽師です。父は同じく宝生流能シテ方であった三川寿水であり、その四男として生まれました。

幼少の頃から能に親しみ、宝生流十七世宗家である宝生九郎重英、そして野口兼資に師事し、能の道を深く追求しました。その緻密で繊細な謡は多くの人々を魅了し、能楽界においても高く評価されています。また、後進の育成にも力を注ぎ、多くの能楽師を育て上げました。

三川泉は、長年にわたり能楽の発展に貢献し、その功績が認められ、2003年には重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されました。これは、彼の卓越した技能と能楽に対する深い情熱が国からも認められた証と言えるでしょう。1981年から1985年まで社団法人日本能楽会の理事を務め、能楽界の発展にも貢献しました。

2016年2月13日、三川泉は東京都新宿区の自宅で心不全のため永眠しました。享年94歳でした。その生涯を能に捧げ、能楽界に多大な足跡を残しました。


関連書籍として『三川泉 能の世界』（白水会、2002年）があり、彼の能に対する考え方や人生観を垣間見ることができます。

また、DVDには、能楽名演集として、能『羽衣～彩色之伝』（観世流 片山九郎右衛門（幽雪））と併せて、能『花筐』（宝生流 三川泉）が収録されており、彼の舞台での姿を映像で見ることができます。

三川泉の能に対する真摯な姿勢と、その美しい謡は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。彼の残した業績は、日本の伝統芸能である能楽の歴史において、重要な一部として永遠に語り継がれるはずです。


関連項目

* 近藤乾之助

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