三式軽戦車

試製三式軽戦車 ケリ

試製三式軽戦車 ケリは、1943年に大日本帝国陸軍によって開発された軽戦車です。この戦車は、旧型の砲塔や戦車砲を有効活用するための試みとして生まれました。具体的には、九七式中戦車が新型の砲塔に切り替えられ、一式中戦車が配備されたことにより、余剰となった資源を活用するためのプロジェクトとして位置付けられました。

開発の背景

日本陸軍の中で、当時の戦局を考慮すると、軽戦車の改良や新型車両の導入が急務とされました。この流れの中で、九五式軽戦車の砲塔を流用し、主砲を九七式中戦車と同じ九七式五糎七戦車砲に換装することで、戦力を増強することが目指されたのです。これにより、既存の戦車の資源を最大限に活用しつつ、新たな車両の開発を進めることができました。

設計とその問題点

試製三式軽戦車は、砲塔や車体に大幅な改造を施すことなく、主に主砲の換装が行われました。しかし、完成した試作車両においては、砲塔内のスペースが著しく減少してしまい、一般的な兵士が外部から内部に入ることすら困難な状態となりました。このため、実用的な運用は難しく、試作段階での取り扱いにとどまりました。実戦には一切参加することなく、その役割を終えました。

後継車両との比較

試製三式軽戦車 ケリの後に試作された四式軽戦車では、問題点を解消するために九七式中戦車の砲塔そのものを移設する手法が採用されました。これにより、砲塔内のスペースの確保がなされ、乗員の快適性や運用効率が向上しています。このように、試製三式軽戦車はその後の軽戦車開発における貴重なフィードバックを提供しました。

参考文献

• - ピーター・チェンバレン、クリス・エリス『世界の戦車 1915～1945』大日本絵画、1996年。ISBN 4-499-22616-3
• - 福島紐人「第二次大戦の日本軍用車両」『グランドパワー』11月号、デルタ出版、1996年。

以上が試製三式軽戦車 ケリに関する概要です。この軽戦車の開発は、戦局に対する適応を試みた一例として興味深いものです。

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