三木鉄道三木線

三木線の歴史と背景

三木線（みきせん）は、兵庫県加古川市にある厄神駅から三木市の三木駅までを結んでいた鉄道路線であり、2008年4月1日に運行を終えました。営業距離は6.6 kmで、全線単線・非電化という特徴を持っていました。この路線は、元々は貨物輸送を目的に開かれたため、旅客輸送の需要は創業当初から少なく、物流の拠点としての役割を果たしていました。

開業の背景

1916年に播州鉄道によって開業された三木線は、当初美嚢川を活用した舟運に代わる輸送手段として設けられました。しかし、旅客輸送はわずかしか行われず、1937年には神戸電鉄粟生線の開業により更なる旅客便の減少につながりました。第二次世界大戦後は貨物輸送が廃止され、結果として利用者が激減し、経営は厳しい状況に置かれることとなります。

経営の変遷

経営状態の悪化を受け、1968年には赤字路線に指定され、1981年には特定地方交通線に指定され経営の見直しが求められました。1985年に三木鉄道として第三セクターに転換されると、営業開始時には加古川への直通列車があったものの、転換後は全てが消失し、更なる利用者減少に直面しました。

運行は1時間あたり1～2本程度で、全線で1本の列車が往復するスタイルが採用されていました。国鉄時代は加古川線直通の便も多くありましたが、利用状況は徐々に悪化し、廃線の議論が加速します。

廃止とその後の影響

2007年には三木市長が「三木鉄道の廃止」を公約に掲げ、2008年に正式に全線廃止の決定が下されたことで、三木線はその運命を迎えることとなりました。最終営業日は市内の多くの人々、鉄道ファンによって盛り上がりを見せ、さまざまなイベントが開催されました。最終列車は2008年4月1日22時52分に到着し、その後、三木駅の扉は閉ざされることになります。

廃線後、三木市は跡地の利用方法を検討し、「三木鉄道跡地等利用検討委員会」が設置されました。調査の結果、廃線跡地は地域の観光や交通の基盤として活用する方針が決まり、鉄道の歴史を生かした街づくりが進められました。

更なる利用と文化の育成

三木市域の廃線跡は「別所ゆめ街道」として整備され、観光地としても注目を集めています。一方、加古川市内の跡地は放置された状態になっているため、両エリアでの活用の差が見られます。一部の旧駅の跡には休憩所も設けられ、地元の歴史を感じる場として利用されています。

代替輸送

三木線の廃止後は、神姫バスによる代替バスが運行され、バス交通が地域における重要な輸送手段として位置づけられています。ICカードの利用が可能となり、地域住民の日常の移動手段としても活用されるようになりました。

このように、三木線の廃止は単なる交通機関の消失に留まらず、地域の歴史と文化の継承、さらには観光振興にも営利点が見いだされることとなりました。

もう一度検索