三段跳

三段跳（さんだんとび）

三段跳は、陸上競技の中でも特に跳躍を重視した種目で、選手がホップ、ステップ、ジャンプの3つの動作を通じて距離を競うものです。基本的には3回のジャンプによって得られた総距離を計測します。この種目は「走り三段跳」と「立ち三段跳」の2つのスタイルがありますが、通常「三段跳」と呼ぶ際には走り三段跳を指します。

競技のルール

選手は連続して同じ足で2回跳ぶという特性を持ちます。具体的には、例えば選手が右足で最初の踏み切りを行った場合、その後のホップも同じ右足になりますが、ステップの段階では左足を使います。国際陸上連盟（ワールドアスレティックス）においては、「ホップの際は踏み切りに使った足で着地し、ステップの際は反対の足を地面につける」といったルールが定められています。また、大規模な競技会では、踏み切り板から砂場までの距離は多くの場合13mに設定されており、競技者のレベルによって高校では11m、中学では9mなど調整されます。

日本の三段跳の歴史

日本の三段跳における著名な選手として、織田幹雄が挙げられます。1928年のアムステルダムオリンピックでは15m21の記録を達成し、日本人初のオリンピック金メダルを獲得しました。その後も、南部忠平が1932年のロサンゼルス五輪で当時の世界記録となる15m72をマークし、金メダルを獲得しました。さらに、田島直人は1936年のベルリンオリンピックで16m00の世界記録を樹立し、3連覇を達成しました。

種目名と表記

公式には「三段跳」と表記されますが、時として「三段跳び」と表現されることもあります。女子の三段跳は1926年から日本記録として認められましたが、戦後一時的に公認されなくなり、その後1986年に再び公認されました。

起源と進化

三段跳の由来は、古代アイルランドの水たまりを渡る遊びにあるとされ、これが競技化されたとの説があります。古代オリンピックの記録の中には15mを超える跳躍の記録が散見されることから、複数のジャンプによる記録ではないかと考えられています。しかし、三段跳が古代オリンピックの正式種目であった証拠は存在しません。近代オリンピックが始まったアテネ大会では、同じ足で2回ホップした後にジャンプするスタイルが採用されていました。この初参加の金メダリスト、ジェームズ・コノリーは、そのスタイルで成功を収めました。

女子の三段跳は1996年のアトランタオリンピックから公式種目に加わりました。また、日本では1874年に海軍兵学寮で行われた「うさぎのつきみ」という競技が三段跳の起源とされています。1918年には日本陸上競技選手権大会でも正式種目に認定され、その後名称が「三段跳」と定められました。この名称はその後も普及し、今では一般に広く認識されています。

三段跳は、限られた動作の中で体力や技術を駆使する非常に魅力的な競技です。日本においても多くの優秀な選手たちがこの競技に挑み、国際舞台での活躍が期待されています。

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