三毒史

アルバム『三毒史』の詳細

椎名林檎による6作目のスタジオアルバム『三毒史』が、2019年5月27日にユニバーサルミュージックからリリースされました。この作品は、2014年の『日出処』以来、およそ4年半ぶりとなるオリジナルアルバムであり、前作『逆輸入 〜航空局〜』以来約1年5か月ぶりの新たなアルバムの発表となっています。また、本アルバムは椎名林檎のデビュー21周年を記念する日に発売されました。

アルバムの構成と内容

『三毒史』には、2015年から2018年に発表されたがアルバムには収録されていなかったシングル7曲と、未音源化の曲が1曲、さらにアルバムのために新たに書き下ろした楽曲が5曲、合計で13曲が収められています。特に興味深いのは、偶数曲に男性アーティストとのデュエット曲が組まれている点で、これはアルバム全体のダイナミズムを生み出しています。楽曲名はすべて5文字で統一され、曲目の配置も7曲目の「TOKYO」を中心にシンメトリーなデザインが施されています。

初回限定盤と通常盤という2つの形態で販売され、初回限定盤はハードカバーのブック仕様が特徴です。

批評と評価

本作は批評家から高い評価を受けています。ロッキング・オンの高橋智樹氏は、椎名林檎の精緻で大胆なプロデュース手腕が光る作品であり、現代の混沌や生命の多様性を音楽として体現しようとする彼女の姿勢を称賛しました。Real Soundの森朋之氏も同様に、感情の葛藤を巧みに表現しており、前衛的かつ普遍的なリリックが特色であると評価しました。さらに、ジャズやヒップホップを融合したサウンドメイクが2019年の生々しい時代背景を反映しているとも述べています。

チャート成績と受賞歴

『三毒史』は初週に57,202枚を売り上げ、Billboard Japan Hot Albumsで2位に初登場し、デジタルセールスでは9,860DLを記録して初週首位となりました。また、年間チャートでは35位を獲得し、椎名林檎のキャリアの中でも重要な位置を占めるアルバムとなっています。

楽曲解説

アルバムの中の各楽曲には独特の魅力と背景があります。例えば、「鶏と蛇と豚」という曲では、三毒を象徴する動物たちがテーマであり、和尚の唱和から始まります。この曲ではDJによるサウンドエフェクトが巧みに使われており、独自の音楽的な空間が創造されています。また、「獣ゆく細道」は初CD化となる曲で、椎名林檎と宮本浩次の名義で配信されたデジタル・ダウンロードシングルです。

他にも「マ・シェリ」や「駆け落ち者」など、シングルとしても注目を集めた楽曲が収録されており、それぞれの背景や制作過程がファンにとって大きな興味となっています。

結論

このように『三毒史』は、椎名林檎の音楽的探求とその表現者としての姿勢を存分に体現したアルバムであり、今後もその影響力が広がっていくことが期待されます。アルバムの特徴的な音楽スタイルや深いリリックは、聴く人々にさまざまな感情を呼び起こし、また新たな発見へと導いてくれることでしょう。

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