三河広瀬駅

三河広瀬駅の概要

三河広瀬駅（みかわひろせえき）は、愛知県豊田市にかつて存在した名古屋鉄道三河線の駅で、現在は廃駅となっています。この駅の歴史は1927年にさかのぼり、当初は三河鉄道の枝下から当駅間が開通した際に設置されました。その後、1928年に当駅から西中金間が開通し、中間駅としての役割を果たすことになりました。1941年には三河鉄道が名古屋鉄道と合併し、同社の一部となりました。

歴史の変遷

1984年には貨物営業が廃止され、さらに1985年には無人化が進みました。また、同年には電気による運行が停止し、その後はレールバス（キハ10形）が運行されるようになりました。2004年4月1日には、猿投から西中金間の廃止に伴い、この駅も役目を終えました。廃駅となった三河広瀬駅ですが、2007年には駅舎とプラットホームが国の登録有形文化財として認定され、地域の文化的な資産としての価値が見直されました。2014年10月には、愛知登文会が主催する特別公開イベントが開催され、多くの来訪者が駅舎を見学しました。

駅の構造と地域の魅力

三河広瀬駅は、廃止された駅の中でも数少ない駅舎を有しています。ホームは1面1線ですが、有効長は長く、この背景にはかつて貨物取扱が行われていた歴史があります。この駅からは陶器などが輸送されており、当時は非常に重要な流通拠点とされていました。開業当初は起点駅であったものの、西中金駅までの開通により中間駅としての位置づけが確立されました。2007年には西中金駅とともに登録有形文化財として認定され、名鉄が所有しています。

駅舎内部は、五平餅やお茶の販売店に改装され、地域の特産品を提供しています。また、駅外では朝市が定期的に開かれ、地域住民や観光客に賑わいを提供しています。駅前はとよたおいでんバスのターミナルとなっており、三河線の廃止代替バスとしてさなげ・足助線と旭・豊田線の2つの系統が利用可能です。これらのバスは接続ダイヤが設定されており、利用者にとって便利な交通手段となっています。

利用者の声と地域の風景

1992年度には、名古屋鉄道の記録に基づいて、1日平均乗降人員は515人とされており、これは名鉄全駅中の277位、三河線内の28位に位置しています。この数値からも、駅が地域の交通の要所として機能していたことが伺えます。近隣には郷土料理店の広瀬やなや、愛知県道・岐阜県道11号豊田明智線、そして美しい矢作川などが存在し、訪れる人々に自然と文化を楽しむ機会を提供しています。

おわりに

三河広瀬駅は現在は廃駅となっていますが、その歴史や地域との結びつきは非常に深く、多くの人々にとっての思い出の場所であり続けています。今後も地域の歴史を語り継ぐ貴重な資産として、駅舎や周辺地域が大切にされていくことを期待しています。

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