三淵藤英

三淵 藤英（みつぶち ふじひで）

概要

三淵藤英は、戦国時代の武将であり、室町幕府の末期に奉公衆として仕官した人物です。彼の初名は藤之で、後に藤英に改名しました。父は三淵晴員で、弟には著名な武将である細川藤孝がいます。「藤」の字は、将軍足利義輝より偏諱を賜った結果、名に含まれることとなりました。

生涯の経歴

藤英の母は、異母弟藤孝の母とは異なるとされているが、歴史記録では藤英の母が徳大寺公維の邸宅に滞在していたことが示されており、徳大寺家との関連も考えられています。藤英が初めて記録に登場するのは、清光院の使者として訪問した際で、この清光院は三淵晴員の姉であり、足利義晴の養育係として有名です。

弘治4年に、朝廷が勝手に改元を行った際、藤英は義輝に関連する役員として事後報告を行いました。これに伴う文書には「弾左衛門尉藤英」との署名が見られ、彼の名前が登場します。この頃、彼は義輝の側近としての立場にあったとされますが、後に伊勢貞孝との軍事行動に関与し、記録上姿を消すことになりました。

永禄の変とその後

永禄8年、足利義輝が永禄の変で殺害されると、藤英は再び歴史の舞台に現れます。彼は弟の藤孝と共に、義輝の弟である覚慶（後の足利義昭）を救出し、彼を擁立します。その後、義昭が織田信長に支援を求める中で、藤英もその活動に参加します。

藤英は、義昭が将軍となると南山城地域の守備を任され、政治面でも重宝される存在となりました。1438年に大和守に叙任された彼は、山城国内での権力拡大に寄与します。しかし、義昭と信長が対立すると、藤英は義昭の弟が信長側に付くと聞き、藤孝の居城に対抗しようとしましたが、この計画は見事に失敗しました。

最期の瞬間

元亀4年、義昭が挙兵するとき、藤英もこれに従いますが、信長に囲まれて二条御所に籠城し、最終的には降伏しました。その後、彼は伏見城へ戻りましたが、義昭が捕らえられた後、藤英も信長に仕官することになります。信長に命じられ、義昭派を攻撃することになった藤英は、果敢に戦い、一時は勝利をおさめました。

しかし、1574年、藤英は信長によって突如として所領を没収され、明智光秀の元へ預けられました。最終的に彼は切腹を命じられ、嫡男の秋豪と共に命を落とすことになりました。藤英の次男、光行は細川氏に仕官し、後に徳川家康に見出されることとなります。

結論

三淵藤英の生涯は、大きな歴史の転換期における様々な人間関係と複雑な政治の中で展開され、彼自身の運命や家族との関係に深く結びついていました。彼が築いた足跡は、後の世に語り継がれることとなります。

もう一度検索