三番街シネマ

三番街シネマ：大阪の映画史を彩った名画館

三番街シネマは、かつて大阪市北区茶屋町に存在した映画館です。TOHOシネマズが経営・運営を手掛け、東宝系の映画を中心に上映していました。1975年の開館から2007年の閉館まで、地域の人々に愛された映画館の歴史を振り返ります。

開館から閉館まで

1975年4月26日、三番街シネマは産声を上げました。当初は1館のみでしたが、後にシネマ2がオープンし、2館体制となります。1977年12月10日にはシネマ3が加わり、3館体制となりました。

1991年3月には、シネマ1に70mmフィルムに対応した映写機が導入され、上映作品の幅を広げます。1997年7月には、シネマ1でスタジオジブリ作品『もののけ姫』が公開され、半年間のロングラン、53万人を動員する大ヒットとなりました。

2001年には座席が一新され、より快適な鑑賞環境が提供されるようになります。2003年7月には全席指定となり、観客は事前に座席を確保できるようになりました。2006年10月、経営・運営が東宝株式会社からTOHOシネマズ株式会社に委譲されています。

しかし、2007年7月、近隣に大型シネマコンプレックス（TOHOシネマズ梅田、梅田ブルク7）が開業すると、客足は減少。同年9月24日、惜しまれつつ閉館しました。最後の上映作品は、シネマ1が『もののけ姫』、シネマ2が『お葬式』、シネマ3が『サタデー・ナイト・フィーバー』でした。

閉館後、梅田方面の東宝洋画系上映館はTOHOシネマズ梅田に集約され、オーエスが運営していたOS劇場・OS名画座が「TOHOシネマズ梅田アネックス・シアター9・10」として新たにオープンしました。2008年6月13日には、三番街シネマが入居していたビルが「イースクエア茶屋町」としてリニューアルオープン。飲食店舗ビルとして新たなスタートを切りました。

各スクリーンの特徴

三番街シネマ1

定員612人を誇る、三番街シネマ最大のスクリーンです。常に話題の洋画・邦画を中心に上映し、2階席も備えた大規模な映画館でした。末期には日劇3系の作品を多く上映し、SDDSをいち早く導入するなど、音響設備にも力を入れていました。

代表作：『星の王子 ニューヨークへ行く』『ハバナ』『ハード・ウェイ』『紅の豚』『平成狸合戦ぽんぽこ』『耳をすませば』『もののけ姫』『ピースメーカー』『アミスタッド』『劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 ENTEI』『千と千尋の神隠し』など多数。

三番街シネマ2

定員181人と、比較的小規模なスクリーンです。有楽町スバル座やシャンテ シネがメイン館となる作品が多く上映されていました。

代表作：『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『パリ、テキサス』『ダウン・バイ・ロー』『ベルリン・天使の詩』『おもひでぽろぽろ』『エド・ウッド』『イル・ポスティーノ』『フル・モンティ』など。

三番街シネマ3

定員368人の中規模スクリーンです。末期には有楽座系の作品を中心に上映していました。

代表作：『ビッグ』『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』『平成ガメラシリーズ』『名探偵コナンシリーズ』『タイタニック』『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』など。

※座席数はいずれも閉館時のものです。最末期には、全スクリーンともサラウンドEXとDTSに対応していました。

三番街シネマは、大阪の映画ファンにとって忘れられない存在です。閉館後も、その名は映画史に刻まれ、人々の記憶に残り続けています。

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